« 赤ずきんちゃんとシイタケ | トップページ | カミキリムシに似てるけど… »

正統なる紫の継承者

現代人にとって“紫”というとどんなイメージでしょう。一口に紫と言っても指し示す色は幅が広いような気がします。私たちは“紫っぽい色”をすべて紫と言っているような気がします。なかには菫色や藤色のように違った呼び方をする明確な色がありますが、それ以外はほとんど紫で片付けているような…。ときに「薄い」とか「濃い」とかの形容詞をつけたりしますけど…

今の私たちに比べ、昔の人は色に対して繊細な感覚を持っていたようです。たとえば紫一つとっても…深紫、浅紫、桔梗、江戸紫、菫、藤紫、龍胆、紫苑色など、名前は数え上げると切りがありません。


1004211
スミレは身近にあるなじみ深い花です。その菫色とはいったいどんな色なのかと考えることがよくあります。一番よく目にするタチツボスミレは、色としては藤色に近いような気がします。写真のニオイタチツボスミレはそれよりも菫色に近づいているのではないでしょうか。ニオイタチツボスミレは名前の通り、とてもよい匂いがします。その香りと相まって、明るい紫がとても品の良い色に感じられるのは私だけではないと思います。でも、菫色とはちょっと違うような気がします。


1004212
ならば菫色とはいったいどんな色なのでしょう。個人的には写真のノジスミレの色がもっとも菫色に近いのではないかと思います。昔の人が何を指して「菫」という色を命名したのかはわかりません。

今ではノジスミレよりタチツボスミレの方が頻繁に目にしますが、昔はノジスミレが一番身近に咲いていた花なのかもしれません。時間の経過とともに植物の勢力範囲が変わるというのもあり得ないことではないと思います。菫色はどんな色と問われて、明確に回答できない私。ひょっとすると、自然界の変化は現代人の感覚にも微妙に影響しているのかもしれません。


1004213
さて、先日友人を誘って再びマキノスミレを見に出かけました。地元に咲くマキノスミレは、どちらかというと赤味を帯びた紫。牡丹色というと濃すぎるので、躑躅と呼ばれる色でしょうか。茨城県南部には青系統の紫のスミレは数多く咲きますが、赤系統の紫でよく目にするのはアカネスミレとマキノスミレくらいでしょう。


1004214
マキノスミレは葉の形も変わっています。葉先はかなり鋭角的で長い二等辺三角形です。葉柄も長く伸び、まるで空に腕を突き上げたようにのびのびとしています。


1004215
少し前のブログで、マキノスミレが激減したことを報告しました。でも、種から芽生えた小さな双葉があちこちから顔をのぞかせています。ちょっと一安心というところでしょうか。後はこのちいさな芽がすくすくと育つことを祈るばかりです。

マキノスミレの件は、一緒に出かけた友人「ぐりおさん」のブログにも詳しく出ているのでそちらもご覧になってみて下さい。

(撮影:2010.4.19/石岡市)

|

« 赤ずきんちゃんとシイタケ | トップページ | カミキリムシに似てるけど… »

植物」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1009500/34309345

この記事へのトラックバック一覧です: 正統なる紫の継承者:

« 赤ずきんちゃんとシイタケ | トップページ | カミキリムシに似てるけど… »