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2010年7月

尾瀬を舞う…豹柄羽衣の天女たち

ひらひら、すぅー、ひらひら、すぅー、ひらひらひら…

優雅な舞を見せてくれる蝶がいます。豹柄のタテハチョウです。群れというほどではありませんが、何頭もクガイソウの周りを乱舞しています。まるで天女たちが水浴びの場所を探しているかのような感じでした。


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茨城県南部で見る豹紋の蝶とは明らかに違います。その小ささに蛾と間違えるほどでした。大きさはモンシロチョウより少し大きいくらいです。じつはこの蝶、なかなか止まってくれません。待ちに待って、ようやく葉の上に止まったところを撮影しました。

コヒョウモンという蝶のようです。高山地帯に生息する蝶だそうで、クガイソウの花は大好物だとか。確かに止まっているのもクガイソウの葉の上でした。


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こちらはセセリチョウです。左はイチモンジセセリでしょうか。右はコキマダラセセリのような感じです。どちらもノアザミ群落を乱舞していました。


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こちらはカオジロトンボのようです。本州では東北地方と上信越の山岳地帯(1,000〜1,500メートル以上)の高層湿原のみに生息する種だそうです。生息地は局地的な上、数も少ないそうですから、見られたのは幸運なのかもしれません。名前の通り顔が白いです。顔というより鼻先と言った方がしっくりくるかもしれません。


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ある場所でご覧のカメムシをたくさん見ました。こりゃぁ、カスミカメムシの仲間でしょう。終齢幼虫のようなので種は判断できませんでした。きっと、次に行く8月初旬には成虫になっていると思います。見つけたら撮影してきます。

尾瀬は花だけではなく、虫たちも珍しいものがたくさんいます。茨城県南部ではお目にかかったことがないような虫が多いので、探すのがとても楽しいです。しか〜し、後で調べるのはちょっと苦労します。


(撮影:2010.7.25/群馬県片品村)

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尾瀬…時を忘れる花の楽園

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前回からのつづきで再び尾瀬の花たちのリポートです。

尾瀬には仕事で行っているのですが、毎回時間が限られていてゆっくり花を見ていられません。撮り損ねている花もたくさんあるのが残念です。今年は5回目の訪問になりますが、行くたびに違った花が見られます。おまけに風景もそのたびに様相が変わっていて、飽きることがありません。

行くたびに新たな発見がある。それが尾瀬の魅力のひとつなのだろうと感じています。一度行けば満足するような場所ではないということでしょう。だからリピーターが多いのだと思います。毎度のことながら、花を見ているとついつい時間を忘れてしまいます。なんたって茨城県南部では見たこともない花がいっぱいですから。


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さて、こちらはクガイソウというゴマノハグサ科の花です。なんとかトラノオという名前のついたサクラソウ科の植物に似ているので、その仲間かと思いがちですが違うようです。

クガイソウは漢字で書くと九階草あるいは九蓋草となります。葉が茎に輪生して九層になっているのでこの名前がついたようです。わかりやすく言うと九階建てということでしょうか。しかし、必ずしも九層になっているわけではないようで、ときには違う数になることもあるらしいです。また、蓋という字は「傘」を意味するみたいです。偉い導師に従者がさしかける長い柄のついた傘を「蓋(がい)」と呼ぶそうですが、その蓋が九つあるので「九蓋草」という名がついたという説もあるようです。以上、余談でした。


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こちらは白っぽい花が咲きそうです。クガイソウに似ていますが、葉っぱの色と質感が微妙に違います。どうなんでしょう? これもクガイソウなのかしら。


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ラン科の花、ミズチドリです。図鑑を見たら「匂いがする」とありました。前もって知っていれば匂いをかいできたのですが、う〜ん残念です。でも8月初旬にまた行きますので、そのとき咲いていたら匂いを確かめてきます。どーぞ、まだ咲いていますように…


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これはオゼノサワトンボでしょうか? よくわかりませんが、図鑑の写真と似ているのでそういうことにしておきます。こちらもラン科の植物です。


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これはコオニユリのようです。山の鼻から尾瀬ケ原に入るところに多く咲いていました。この強烈なオレンジ色がとてもよく目立ちます。緑の背景にとてもよく映える小さなユリでした。


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こちらもコオニユリ? 花びらに黒い点がありませんが、コオニユリなのでしょうか。図鑑を見たら黒い点が入らないオレンジのユリに「ノヒメユリ」という種がありました。でも、四国や九州、沖縄に分布する種のようなので違うみたいです。じゃあ、無地のコオニユリということですかねぇ。ちなみに、この花は尾瀬に自生する植物を植栽した「研究見本園」に咲いていました。


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これも研究見本園に咲いていたマルバダケブキの花です。右側に花のアップを載せてみました。いかにもキクって感じの花です。これを見ると、改めてこの種がキク科だってことがよくわかります。う〜ん、それにしてもごっつい花じゃ。


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「このタデ、なんと言うタデなのだろう?」と思い、後で調べようと写真を撮っておいたものです。手持ちの尾瀬の花図鑑に載っていなかったので、普通の図鑑で調べたら…イブキトラノオのようでした。

「え〜、そうなんだ、知らなかった」。よく名前は聞いていましたが、まさかタデ科の植物だったとは。トラノオという名がつく植物にはタデ科もあったのでした! 小さな発見というか、遅かりし気付きです(今さら、ちょっと恥ずかしいかな)。


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今回のちょっとした発見がこの花です。山の鼻から尾瀬ケ原に入ってしばらく行くと、この花がいっぱい咲いています。オニシモツケと言う花のようですが、これがけっこういい香りがするんです。近くを通ると香しい空気が漂ってきます。居ても立ってもいられなくなり、思いっきり鼻をくっつけて深呼吸してきました。まるで虫になったような気分を味わえました。なぜなら、この花にはおびただしい虫が訪れていたから…私もその仲間になれました。ハハハ。


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尾瀬ケ原にはところどころにアザミが咲いています。なにアザミなのかなぁ〜と悩んだのですが、普通のノアザミらしいです。ノアザミはかなり適応力のある植物のようですね〜


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水辺にはヒツジグサが咲いていました。もしかすると茨城のどこかには咲いているのかもしれませんが、まず見ることはない花だと思います。あるとすれば茨城県北の水のきれいな池や沼かもしれません。少なくとも県南部で咲いているという話は聞いたことがありません。そんな花が尾瀬では当たり前に咲いているんですから、ちょっと不思議な気分です。しかも、こんなにたくさん!


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水草も撮ってきたのですが、名前がさっぱりわかりません。ネットで検索したら、スギナモのようでした。撮影したのは上ノ大堀川です。いったいどんな花が咲くのでしょう?


(撮影:2010.7.25/群馬県片品村)

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尾瀬…ニッコウキスゲの夏が終わる

茨城の自然を報告するはずのブログが、尾瀬のレポートばかりになってしまい恐縮です。今回も尾瀬の報告となります。

(毎度のことですが、鳩待峠から山の鼻を経由して尾瀬ケ原に向かいました)


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先日出かけた尾瀬ケ原はご覧のように緑一色。カキツバタもヒオウギアヤメもありません。驚いたのはニッコウキスゲが咲いていなかったことです。ほんの二週間前には一面に咲き誇っていたのに、あっと言う間に花期は過ぎてしまったようです。そんな状況を見て、歩いている方達から残念がる言葉が聞こえてきます。

「ニッコウキスゲ、全然ないじゃん!」
「咲いてないんじゃこれ以上歩いてもつまらないわ」
「ホント、がっかり。テンション下がるわね〜」
「あれを見るつもりできたのに、どっと疲れが出たわ〜」

怨み節はいろいろです。でもね〜、仕方ないじゃないですか、自然の営みなんですから。それより、もっとよく目を凝らしましょう! いろんな花が咲いていますよ〜。あそこにも、ここにも。「まぁ、まぁ、そうお嘆きにならずに、気を取り直して行きましょうよ」。な〜んてことは言いませんでしたけど、自分はいろんな花を見つけて楽しんできました。


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ニッコウキスゲの代わりに黄色い花を咲かせていたのがこちら。


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キンコウカです。ニッコウキスゲに比べるとはるかに小さい花なのでボリューム感では劣りますが、群落を形成している場所は黄色いベールをかぶせたようでなかなかきれいです。


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こちらはコバギボウシです。カキツバタやヒオウギアヤメ亡き後、「紫の彩りを添えるのは私の役目」とばかりに各所で奮闘しています。緑と紫の組み合わせも捨てたものではないと思わせるなかなかの役者ぶりでした。


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こちらはナガバノモウセンゴケです(左)。花の直径は5〜6ミリでしょうか、白い小さな花を咲かせていました(右)。ナガバノモウセンゴケはやや湿ったところに多いような気がします。


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これでもバラ科の植物なんですよね〜。ワレモコウの花です。けっこう目立つのですが、花らしくない花なので、人気はあまりないような気がします。尾瀬でなくても見られる花なので、鑑賞の対象にならないようです。でもね、尾瀬にもワレモコウが咲いているという事実が、私には新たな発見だったのであります。


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こちらはオトギリソウです。尾瀬の花図鑑を二冊持っているのですが、どちらにも載っていません。尾瀬を象徴する花ではないということでしょうか? 確かに茨城県南部でも咲いている場所がありますからね。これといった理由はないのですが、オトギリソウは何となく好きな花です。花弁と萼片に黒点があるのが特徴です。ほかの花にはないデザインがいいと思います。


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何となくオトギリソウに似たシルエットの花、トモエソウです。それもそのはず、同じオトギリソウ科オトギリソウ属なのです。トモエソウは花びらが少しよじれて船のスクリューみたいになっています。この花びらの形状が巴紋みたいになっているからこの名前がついたのだと思います。

ほかにもいろいろ花が咲いていました。つづきは次回に持ち越したいと思います。


(撮影:2010.7.25/群馬県片品村)

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もののけ姫の神秘の森

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先日、長野県の八千穂高原にある白駒池に行ってきました。白駒池の周囲には散策路があるのでそこを歩いてきたわけです。池に行くのに針葉樹の森を通るのですが、そこがとても幻想的な雰囲気でした。なんたって、コケ、コケ、コケですから。

噂によると、アニメ「風の谷のナウシカ」や「もののけ姫」で知られる宮崎駿監督が、映画制作前にここを訪れたということです。もののけ姫に出てくる風景はここが参考になっているのかも…と想像してしまいました。


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先にも書いたように、ここには一面にコケが生えています。茨城県南部では見ないコケも多いような気がしました。


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これはセイタカスギゴケでしょうか? 


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こちらはケチョウチンゴケでしょうか?


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驚いたのはミズゴケがあったことです。ミズゴケは湿原にあるものとばかり思っていたので、森のなかで出会ったことに軽い衝撃を受けました。図鑑で調べたらウロコミズゴケらしいことがわかりました。


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コケは蘚類と苔類、ツノゴケの三つに分類することができるそうです。上に報告した三種はいずれも蘚類でしたが、この写真のものは苔類になります。たぶんツボミゴケ科のコケだと思います。

いや〜、やっぱりコケって素晴らしいです。美しいです。ここしばらくコケブログはネタがなかったので更新していませんでしたが、今回は収穫があったので近いうちに更新しようと思います。


(撮影:2010.7.20/長野県佐久穂町)

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尾瀬にいる緑のコウモリ

多種多様な花や季節ごとの美しい風景が人々を引き付けて止まない尾瀬。なかでも尾瀬ケ原は四季折々いろいろな花が咲くのでハイカー人気です。でもね、尾瀬ケ原以外にもたくさん花が咲いているところがあります。それは鳩待峠から尾瀬ケ原に向かう山道。私は尾瀬ケ原に行くときは毎回、この鳩待口から入ります。沼山口など、ほかにも尾瀬ケ原への入口はありますが、初心者なので鳩待口が一番楽でいいです。

鳩待口から尾瀬ケ原まで、のんびり歩いて約一時間。この道のりで見かける花たちは、ほとんど名前がわかりません。しかも、尾瀬の花を紹介した図鑑や本に載っていないものが多数あるので調べるのもひと苦労です。今回はいつもより労力を使って調べた山道の花を報告します。写真は歩きながら撮ったのでブレブレのものが多いです。

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モミジカラマツだと思います。何種類もの図鑑を見て、やっとそれらしきものを照合できました。見つけたのは「高山に咲く花」という図鑑。まさか高山植物に分類されているとは思いませんでした。


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キクっぽい花です。しかしキク科ではなくキンポウゲ科。カラマツと言う名のつく植物の多くはキンポウゲ科です。


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こちらはミヤマカラマツだと思います。やはり高山植物の図鑑にありました。花は小振りで、線香花火のような印象の花です。これといった魅力がなさそうですが、よくよく見るとじつに味わい深い花です。個人的にはかなり好きな部類の花になります。できることなら鉢植えにしてテーブルなどに飾りたいところです。たぶん、花屋さんなどで売り出したらかなり人気が出るんじゃないかな〜


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山道にはヘンテコな葉っぱがいっぱいあります。たとえばこちら、キク科のコウモリソウ属の葉です。コウモリに似ているからコウモリソウと呼ぶらしいのですが、山道には何種類もコウモリがいるような気がしました。この葉は、オクヤマコウモリだと思います。


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こちらもコウモリソウ属らしい葉です。図鑑はもちろんネットでも調べましたが、名前はわかりませんでした。ミミコウモリに少し似ていますが、別種だと思います。


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黄色いトリカブト? と思ったらオオレイジンソウでした。初めて見る花です。


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チダケサシみたいな花です。いろいろ調べてみたらヤマブキショウマのようでした。


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ショウマという名がついているのでキンポウゲ科だと思ったら、この種はユキノシタ科でした。チダケサシがユキノシタ科なので当たり前と言われればそれまでです。


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これなんだろう? と思った花です。かなり有名な植物、マイヅルソウです。知りませんでした。今まで気にも留めなかったのですが、茨城県南の山にもあるのでしょうか? 今度注意して見てみます。


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これは明らかにシソ科の植物。アキノタムラソウに似ています。でも、そんなわけないし…。図鑑にナツノタムラソウという植物が載っていました。きっとこれかもしれません。


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これはものすごく数が多かった草です。やたらでかいので、嫌でも目につきます。


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ヤグルマソウと言うらしいです。これも知りませんでした。


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これはクルマムグラ?


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もしかするとオククルマムグラかもしれません。


こんな感じで、鳩待峠から尾瀬ケ原に至る山道には見たこともない草花がいろいろ、不思議がいっぱいです。今度の日曜日にもまた仕事で行くことになっているので、何か新しい不思議があったら報告します。

(撮影:2010.7.12/群馬県片品村)

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尾瀬の白い花…未の刻に逢いましょう

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さて尾瀬ケ原の花シリーズ、最終回は白系の花です。


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湿原らしい花の風景が目の前に広がります。ワタスゲの群落です。木道を歩いていると、「お先に〜」って感じで綿毛が頭上を飛んでいきます。


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まずはこちら。尾瀬ケ原のなかには咲いていませんが、山の鼻から尾瀬ケ原に向かう途中にいくつもありました。


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ニョキッと伸びた柄に白いまりがついたような印象の花。ギョウジャニンニクの花です。


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三つ葉の葉っぱに見慣れぬ花が顔をのぞかせています。近くで見ると花びらに毛が生えているような印象の花です。


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これはミツガシワ。自生しているものを初めて見ました。


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午前中は咲いていなかったのに、午後になったらいつの間にか開いていたヒツジグサ。未の刻(午後二時)頃に咲くのでこの名前がついたとか。羊さんのように白いからヒツジグサなのかと思うところですが、開花の様子を自分の目で確かめると「未草」の名の由来が実感できます。


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花の色は白ではないですが、シリーズ最終回なのでその他の草や花を報告しておきます。まずはとても変わった形の花です。オゼノサワトンボのようです。長い尻尾のようなものがついていて、たしかにトンボが産卵している姿を思い出しました。花の様子からわかるようにラン科の植物です。


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これはワレモコウでしょうか? 尾瀬ケ原のあちこちで見かけました。ワレモコウがたくさんあるのは意外でした。


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こちらは食虫植物のモウセンゴケです。私は見たことがありませんが、白い花が咲きます。左がナガバノモウセンゴケ、右がモウセンゴケです。名前の通り左は葉っぱが長いです。右はしゃもじというかへらみたいです。


(撮影:2010.7.12/群馬県片品村)

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尾瀬の青い花…湿原にナスがなる?

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尾瀬ケ原の花シリーズ、今回は青系の花をご報告します。


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白いワタスゲがフラワーアレンジメントによく使われるかすみ草のようです。尾瀬ケ原全体が花束だと想像すると、ハイキングがより楽しくなります。


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ワタスゲと絶妙の色の対比をなしている青い花(紫と言った方がいいかも)は、カキツバタです。


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ところどころに似たような花が咲いていました。こちらはヒオウギアヤメです。


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牛首の分岐あたりまで行くと薄紫の小さな花がちらほら咲いています。もう終わってしまったと思っていたタテヤマリンドウがまだ残っていました。この花、帽子などで覆ってしまうと花を閉じてしまうそうです。一度実験してみたかったのですが、木道からかなり離れたところに咲いていたので諦めました。


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あれっ? こんなところにナスの花が…

茨城県南部だと、この手の花はワルナスビと相場が決まっています。でも、ここは尾瀬ですからワルナスビということはないでしょう。

調べてみたらオオマルバノホロシの花でした。きれいな赤い実がなるようです。別名で尾瀬茄子とも呼ばれているみたいです。図鑑には有毒植物と書いてありました。

さて、ここで気になったのは“ほろし”という言葉です。ネットで検索したら、ヒヨドリジョウゴの古い呼び名という記述がありました。確かに、ヒヨドリジョウゴの赤い実と、図鑑に載っていたオオマルバノホロシの赤い実は似ているかもしれません。

ほかにも気になる記述がありました。赤く熟した実が乾燥してくると、表面にぶつぶつが出てくるそうです。そのようすが皮膚病の“ほろし”に似ているのでその名がついたということです。

確かに、ネット上の国語事典で“ほろし”を探すと「湿疹の軽度のもの。ほろせ。」とあります。ちなみに、わが家の国語辞典や古語辞典には載っていませんでした。この言葉の意味を調べていてふと思ったことがあります。それが「まぼろし」という言葉。「まぼろし」は「ま・ほろし」から発生したのではないかという勝手な想像です。

「ま」は接頭語というか、強調とか驚きを表す言葉。それに、すぐに治ってしまう(消えてしまう)軽い湿疹を指す「ほろし」と組み合わせて、はかなく消えてしまうものを意味する言葉として誕生したのではないかと思った次第です。これは妄想に近い想像なので、いい加減な話として忘れてください。

自慢話をするわけではありませんが、高校時代の古語や漢文の成績は下から数えた方が早かった自分です。ところが、歳をとってからときどき古語の教科書を読み直したりしています。今さらながら、もう少し真面目に勉強しておけばよかったと悔いる私。そんなこともあり、いつでも勉強し直せるようにと部屋には高校時代の教科書が揃っています。我ながら物持ちがいいと感心します。言い換えると未練たらしいということです。こんな捨てられない性格には自分でも困っています。


(撮影:2010.7.12/群馬県片品村)

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尾瀬の赤い花…決してふれてはなりませぬ

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昨日に続き、尾瀬の花を報告します。今回は赤系(ピンク系含む)の花たちです。まずはこちら。


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アザミです。尾瀬に咲いているので特別なアザミかと思いましたが、ノアザミのようです。茨城県南部でもよく目にしますけど、尾瀬にもあるんですね〜

かなり適応力の高いアザミなのでしょう。尾瀬のアザミと言えば、オゼヌマアザミやジョウシュウオニアザミがあるそうですが、今回は見つけられませんでした。まだ咲いてないのかしら?


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こちらはツルコケモモです。薄いピンクと濃いめのピンクがあるようです。カタクリのミニチュアみたいな花です。よく見ると全然違いますが、ちょっと見には似ていると思います。


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たぶん、ウラジロヨウラクだと思います。なんとかわいらしい花でしょう。軽く揺らすとチンチロリーンとか音がしそうです。(いや、そんなこと絶対ない!)


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おお、これは…なんと繊細な花なのでしょう。トキソウです。ラン科らしい花の構造をしています。これをそのまま大きくしたら、園芸種のランに引けを取らない人気が出るのではないかと想像します。


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これは、決してふれてはならない花です。なぜならサワラン(触らん)だから…

うっ、強烈なダジャレをかましてしまいました。気分を害された方もいらっしゃると思いますので、早々に引き上げることに致します。

今回はこれにて失礼をば…


(撮影:2010.7.12/群馬県片品村)

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シルベストリス? ディコトーマ? どっちかわからん

先日、修正文を記したこちらの花についてです。またまた修正が必要になりました。


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本日、友人のA氏(ナチュラリスト)と話をしていたとき、上の花のことが話題に上りました。この花は奥日光で写真を撮ったもの。自分はサンリンソウと勘違いしていたのですが、その後ネットで検索してフタマタイチゲ(Anemone dichotoma)と判断した経緯があります。でも、腑に落ちなかったのは北海道に自生しているという事実。この点については、北海道の気候と奥日光の気候は似ているかもしれないので生えていてもおかしくないのかなぁ…と、勝手に決めつけていました。

いろいろ話すうちに、A氏は「アネモネ・シルベストリスかもしれないよ」とヒントを与えてくれました。

さっそくネットで検索したら、次々とシルベストリスの画像が出てきます。その画像と上の写真を見比べたのですが、私にはどこがどう違うのかよくわかりません。その結果、写真の花はフタマタイチゲかもしれないし、外来の園芸品種であるアネモネ・シルベストリス(Anemone sylvestris)かもしれないという曖昧な答に至ったわけです。

どなたかおわかりになる方がいらっしゃったら、教えていただけませんでしょうか?


(撮影:2010.6.29/栃木県日光市)

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尾瀬の黄色い花…二人の少女の思い出

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先日、約一か月ぶりに尾瀬に行ってきました。ちなみに前回は6月上旬です。そのときから比べると、尾瀬ケ原は緑豊かな湿原に大変身しています。なるほど、季節ごとに風景と花が楽しめるという話に納得がいきました。

それにしてもかなりの種類の植物があります。しかも、茨城県南部では拝めないものばかり。あまりにもたくさんの花が咲いているので、狂ったように片っ端から撮ってきちゃいました。ところが、あまりにも撮りすぎたので、どのように報告していいかわからなくなってしまいました。そこで、色ごとに分けて報告することにします。

今回の撮影プロジェクトは題して「尾瀬ワンダーランド・なんでも撮っちゃえ大作戦」。まずは黄色系の花から報告したいと思います。


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うわ〜、昭和のよき時代を思わせるシーンです。写っている二人の女性は、半世紀前には少女だった方たち。こんな遠くからなぜわかるんだ? とおっしゃる人もいるでしょう。それは…この写真を撮ったあとに、お二人にお会いしたからです。

「あ〜、やっと人がきてくれた! よかった〜」

彼女たちは誰かに写真を撮ってもらいたかったようで、私にシャッターを押してほしいと声をかけてきました。「おやすい御用です」と小さなカメラを受け取り、ニッコウキスゲを背景に微笑むお二人をファインダーから覗き込みました。えっ、ファインダー? そうなんです、そのカメラはデジカメではなく一昔前のフィルムカメラだったのです。それが妙に懐かしさをくすぐりました。「ものを大事に使っている人なんだなぁ」と、今の日本人が忘れかけている大切なものを思い出させられた私。お二人のためにも、記念になるいい写真を撮ってあげたいとシャッターを押す指先に力がこもります。(おい、どこに力入れてるんだ! 違うだろ)


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「まずはニッコウキスゲがぱぁ〜っと咲いているのを背景に!」

パシャ。

「もう一枚撮りましょう。今度は縦で!」

パシャ。

「それじゃ、今度は山を背景にいきましょう!」

パシャ。

まるでプロカメラマンの仕事現場さながらに、あれこれ注文をつけてお二人を動かしてしまった私。いろいろなシーンで撮ってあげたいと考えたのはもちろんですが、その一方で3枚撮れば1枚くらいいいのがあるだろうと保険をかけたわけです。彼女たちのカメラがデジカメだったら、もっと撮ってあげたと思います。

撮影途中で私はあることに気づきました。彼女たちは顔も体型もそっくり瓜二つなのです。写真を撮り終えてから尋ねてみると…

「そうでーす。双子でーす」

Vサインをかざして、満面の笑みを浮かべるお二人。その笑顔のかわいらしいこと。写真を撮っているときにも同じ笑顔を揃えてくれた姉妹でした。それは写真用の作り笑顔ではなく、喜びをそのまま表した素敵なお顔です。言葉にはしませんでしたが、仲の良い姉妹の同じ仕草をこの上もなく愛おしく感じました。

「まるで少女がそのままおばあちゃんになったような人たちだなぁ」

人生の大先輩に対してはなはだ失礼ですが、そんなことを思ってしまった私。決して美人姉妹とは言えないお二人でしたが、とても素敵な女性に感じられました。幸せってこういうことをいうのかもしれない…と、しみじみ思った次第です。はい。

お二人はそれぞれ長野と東京にお住まいです。今回、姉妹で尾瀬に来るにあたっては、東京の妹さんの家に泊まって楽しいひとときを過ごされたそうです。

「今日は尾瀬、明日は至仏山に登るんです」

高山植物を見るのを楽しみにしていると、嬉しそうに話す姉妹。

「きっと明日は晴れですよ」

そう願いを込めて、つい口から言葉が出てしまいました。怪我なく無事に帰ってきてくれたらいいなぁと心から思いました。

え〜、たいへん失礼致しました。単なるエピソードを軽く記そうと思ったのですが、とんでもない長文になってしまい恐縮です。

この先は軽く流しますので、あしからず。

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これは言うまでもない有名な花、ニッコウキスゲです。ほぼ満開に近い状態でしょうか? ピークは今週末あたりかもしれません。


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こちらはキンコウカ。ぽつりぽつりと姿を見かけました。


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こちらはヤナギトラノオ。サクラソウ科の草ですが、葉っぱはヤナギにそっくりです。なので、ヤナギトラノオの名前がついているのだろう…と勝手に判断。

次回は赤系あるいは青系、白系の花のいずれかを報告したいと考えています。


(撮影:2010.7.12/群馬県片品村)

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梅雨にこんにちは!

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一目瞭然、きのこです。

いや〜、つくづく梅雨という気がします。こんなのがにょきにょき生えていると。


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たくさん生えていると、こりゃもう花ですな。梅雨のきのこたちは色も多彩、形も多様。見ているだけで楽しくなります。梅雨の楽しみ方をひとつでも持っていると、不快な日々が愉快な日々に変わります。

防水のカメラを持っていれば、かっぱを着て雑木林に出かけたいところです。

(このきのこ、アメリカウラベニイロガワリについては、先日「きのこ探検隊」で報告しました)

(撮影:2010.6.27/つくば市)

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やっぱりサンリンソウじゃなかった

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先日、奥日光の植物として報告した花の件です。写真の花はサンリンソウではなくフタマタイチゲという植物らしいです。フタマタイチゲは北海道に分布する植物のようですが、なぜか奥日光に咲いていました。どうして?


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この花はキンポウゲ科イチリンソウ属なので、イチリンソウやアズマイチゲ、サンリンソウなどと同じ仲間になります。学名はAnemone dichotoma(アネモネ ディコトーマって読むんでしょうか?)。亜寒帯の海岸や湿原に生える多年草らしいです。アネモネと言えば園芸植物の名前でよく耳にします。そう言われればアネモネに似ているような、似ていないような…。とにかく、かわいい花には違いありません。

(撮影:2010.6.29/栃木県日光市)

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梅雨と言えば粘菌

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梅雨と言えばアジサイ、カタツムリ…お決まりの生きものの代表と言えばこの二種でしょう。でも、ここに加えてもらいたいものがいます。それが変形菌(粘菌)です。

先日、菌懇会という団体の観察会に参加させていただきました。そのとき、筑波実験植物園できのこ探しをしたわけですが、会員さんのなかに変形菌を探している方がいたので採集したものを見せてもらいました。


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こちらがその変形菌たちの一部。みんな葉っぱの上に子実体を作っています。色は多様で、不思議な形をしています。梅雨時の雑木林、そこに堆積した落葉の上ではこんな生きものたちが競演しているんですね。梅雨のドラマはとてもおもしろいです。

こちらの変形菌については、近いうちにきのこブログでふれたいと思います。


(撮影:2010.6.27/つくば市)

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ジョウカイボン、青と黒。カミキリムシ、赤と黒。

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奥日光で見た虫たちをざっとリポートします。

まずはこちら。カミキリムシみたいだけどそうじゃない虫、ジョウカイボンです。カミキリムシとジョウカイボンの線引きはどこにあるのでしょう? 図鑑を見ると、両者の類縁性は薄いとあります。似て非なるものということらしいです。

じゃぁ、どこが違うの?…というと、翅鞘(ししょう)が柔らかいという点だそうです。翅鞘とは、飛ぶための薄い翅を折り畳んでしまうときに蓋の役割をするもののことだと思います。わかりやすく言うと背中の部分。パカッと開く、硬くて短い翅です。

背中をさわってぷにょっとしていたらジョウカイボン、硬かったらカミキリムシということでしょう。

このジョウカイボンは、アオジョウカイのようです。


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こちらもジョウカイボンだと思います。上の写真の個体とほとんど同じに見えますが、胸部のところに色がなく真っ黒です。きっと、クロジョウカイだと思います。


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ここで一息入れましょう。水のある風景っていいですね〜

日光と言えば、東照宮、中禅寺湖、華厳の滝、そして竜頭ノ滝です。そうです、これは竜頭ノ滝なんです。


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全体として捕らえると、中央部分が龍の頭に見えなくもないです。私は眼が悪いのでマイナスイオンは見えなかったのですが、何となく爽やかな空気が漂っているのは感じられました。この竜頭ノ滝の展望台近くにいたのが下の虫。


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赤と黒のカミキリムシです。しかも毛むくじゃら。

これはきっとアカネカミキリという種だと思います。図鑑のなかでトラカミキリの仲間が並んでいるページにいました。それぞれの脚の腿節の部分が膨らんでいます。人間で言うなら太ももにあたる部分でしょうか。う〜ん、インパクト大です。ヘンテコだけどカッコいい。極端に変形されたフォルムが、ときに鮮烈な印象を残すことがあります。それを見続けると、ほかの種にはない独特な美しさに気づかされることがあります。このカミキリムシにはそんな不思議な魅力がありそうです。色彩も素敵ですし…


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さて、長々と書いてしまいました。このへんで奥日光リポートを終了したいと思います。


(撮影:2010.6.29/栃木県日光市)


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幸せの黄色いクリンソウ

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奥日光で見てきた植物をざっとレポートします。

まずはこちら、ヤマオダマキです。


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これはカラマツソウの仲間みたいです。ハルカラマツだと思います。


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鹿も食べないマルバダケブキ。食べてくれないから大群落になっています。まるでフキの海。


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クリンソウの群落地に黄色いクリンソウがありました。


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ムラサキ科の花であるのはわかるのですが…。たぶんワスレナグサではないでしょうか。


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おっ、これはサンリンソウか! と思いましたが…


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何となく葉っぱの形が違います。何と言う花なのでしょう? 園芸品種でしょうか。


(撮影:2010.6.29/栃木県日光市)

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朱鷺色の傘が咲く森

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奥日光、西ノ湖のほとりから千手が浜に向かうには二つのコースがあります。ひとつは千手の森のなかを通るコース。もうひとつが、森を少し通って道路に出てその道沿いに歩くコースです。

以前、千手の森のなかを通ったので今回は道路沿いに行ってみました。写真は森を通り抜ける道です。森が終わったところに川があって、橋を渡ると道路です。


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途中できれいなきのこを見つけました。朱鷺色の傘を持ったきのこ、ホシアンズタケです。


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あまりのきれいさに、ちょっと得した気分になれました。奥日光の森にはいろんな出会いがあります。たのしぃ〜


(撮影:2010.6.29/栃木県日光市)

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世界最大のカメムシだった

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茨城だと筑波山のような高い山に行かないと見られないミズナラが、奥日光ではたくさん生えています。奥日光の標高は筑波山より上ですから、当たり前と言えば当たり前でしょうか。

ほかにカツラが意外と多いこともわかりました。茨城の平地では少ない樹木なので(植栽されたものはあります)、自然に生えているものをじっくり見てきました。


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ミズナラやカツラが生える林の下草にはカメムシがいました。こちらはジュウジナガカメムシです。ガガイモ、イケマ、カモメヅルなどのガガイモ科植物に寄生するそうです。写真に写っている葉っぱはイケマのようですから、図鑑に書いてある通りです。イケマは山地に生える草だそうです。確かに、茨城の平地では目にしないような気がします。


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こちらもカメムシです。しかし、普通のカメムシとは体のフォルムと頭部の形状が違います。見た瞬間、カスミカメムシの仲間ではないかと思いました。でも、体長5ミリ前後のものが多いカスミカメムシにしては大きすぎます。

家に帰って図鑑で調べると、アカスジオオカスミカメのメスであることが判明。カスミカメムシの仲間では世界最大級の種類だそうです。体長は12ミリを超えるようです。


(撮影:2010.6.29/栃木県日光市)

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妖精の歩いた道を辿る

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先日、森で妖精に出会ったことを報告しました(記事はこちら)。場所は福島県矢祭町にある滝川渓谷です。


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本日、仕事で同じ場所に行ってきました。そして妖精が歩いた道を辿ることになったわけです。道は、滝また滝が続く風光明媚な場所へと導いてくれました。先日の妖精はサンダルを履いていましたけど、岩や階段の多い道を軽やかに駆け上ってきたようです。改めて「すごい!」と思いました。


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蝉時雨のような川の音を聞きながら、私も今日同じ道を歩いてきたわけです。確かに、「この先、どんな風景がみられるのかしら?」なんて考えると、自然に足が先に進みます。きっと妖精も同じ思いで渓谷を上ってきたのでしょう。

滝川渓谷、なかなか素敵な場所です。

滝川渓谷には大小合わせて四十八の滝があるそうです。しかもわずか3キロメートルの区間に。滝川という名前が伊達ではないことがわかります。そういやぁ、茨城にはそんな場所あるのかなぁ?

ま、袋田の滝で48個分ということで…。そういうわけにはいきませんかねぇ。

ちなみに、48の滝を全部撮ろうとがんばってみましたが、ちと無理でした。orz…


(撮影:2010.7.2/福島県矢祭町・滝川渓谷)

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森に生える喘息の薬

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(前回からのつづきです)

奥日光のカラマツの森。歩いているだけで気持ちがいいです。カラマツの森は明るく風通しがいいような気がします。


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足元にはこんな花が咲いています。ズダヤクシュという野草のようです。長野県の方言で喘息のことをズダと言うそうで、この草が薬用になるということから名付けられたとのこと。

ズダヤクシュはユキノシタ科、アジサイなどと同じ科です。同じ仲間でも姿形はかなり違うんですね〜。でも、なんとなく葉っぱは似ているかも…


(撮影:2010.6.29/栃木県日光市)

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