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もふもふ、夏の腹巻き

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へんな生きものです。前回のトビケラに続き、今回も水のなかの生きものになります。こちらはカゲロウ。たぶんフタスジモンカゲロウの幼虫です。お腹の周り(主に背面)にふわふわしているのはエラ。まるで腹巻きのようですね。それにしても、じつに変わった場所に呼吸器官があるものです。

なんでトビケラやカゲロウを報告しているかというと…

先月末と今月初めに、筑波山の沢で生きものたちを探したからなのです。子どもたちの夏休みの体験学習の一環として、沢の生きものについて学ぶイベントがありました。そのスタッフとして参加したというわけなのであります。

おかげでカゲロウやカワゲラ、トビケラのことを少し勉強させていただきました。今回報告しましたフタスジモンカゲロウは、言うまでもなくカゲロウの一種。このカゲロウの仲間はトンボの仲間とともに、昆虫のなかでは古い系統に属する仲間なのだそうです。化石記録としては古生代の石炭紀のものが出ているそうです。

(石炭紀? えっ、それいつのことだよ!)

石炭紀とは、今から3億6,700万年前〜2億8,900年前だそうです。想像したくても想像できないほど遠い昔のことです。

カゲロウの仲間は、昆虫のなかでは最初に翅を獲得したグループのひとつと考えられているそうです。う〜ん、これってかなりスゴいことではないでしょうか。さらに驚くべきことがあります。これには目から鱗が落ちました。なんと!

カゲロウの仲間は翅が伸びた後にも脱皮をするそうです。こんな昆虫はカゲロウを置いてほかにはないとのこと。こりゃスゴい。もう一度言っちゃいます。スゴい、スゴ過ぎます。とにかく感動しました。(そんなことも知らなかったの? なんて言わないでね)

というわけで、カゲロウはへんてこな変態ステージを持つ昆虫であるようです。いわゆる蛹の期間のない不完全変態をするわけなのですが、ネットの情報では“半変態”とも書かれていました。さ〜て、どんな変わり方をするのかと言うと…

幼虫から亜成虫になります。この亜成虫は翅を持っているんですよ、翅を(これってほとんど成虫と同じでしょ)。さらに、亜成虫から脱皮をして成虫になるわけです。余談ですがカゲロウの亜成虫はダン(Dun)というそうです。それじゃ成虫は? と言うと、スピナー(Spinner)だそうです。ついでに幼虫はニンフ(Nymph)と呼ばれます。渓流釣りと言うのでしょうか、フライフィッシングの用語として、この言葉をよく耳にすることがあります。

前々からニンフという言葉は気になっていました。Nymphは、英語の辞書によると神話の言葉のようで「山・川・森・泉などに住む半神半人の美少女」とあります。ふむふむ、どおりで心惹かれるわけですよ、なんたって美少女ですから。このことは何となく知っていたので、なんで美少女がこんなへんてこな幼虫なのかと理解に苦しみました。今でも謎は解けずに私は苦しみ続けているわけなのですが…

苦しみながらもひとつだけわかったことがあります。それは、完全変態の昆虫の幼虫をlarva(ラルバって読むのでしょうか?)、不完全変態の昆虫の幼虫をnymph(ニンフ)と呼んで区別するということ。

あと、改めてわかったことのなかで意外だったことがひとつあります。日常会話でも最近使われるようになった「棲み分け」という言葉について。この言葉は、そもそもカゲロウの研究で使われていた言葉だそうです。カゲロウは流域によって生息している種が異なるとのこと。この生息域の違いを「棲み分け」という概念でとらえていたみたいです。このカゲロウ研究のことがマスメディアで取り上げられたことをきっかけに、社会学や他の分野でも使われるようになり、いつしか日常語としても浸透していったということのようです。このことは、ネットのウィキペディアに出ていました。(ウィキペディアはよく利用しますが、ためになることがたびたびです)

さて、最後に一般的なことで締めくくりたいと思います(えっ、どこが一般的!?)

世界には約23科310属2,200種のカゲロウがいるそうです。これはどうでもいいことです。この次が大事なんです。

さて、日本にはどれくらいいるかと言うと

13科39属140種以上がいるとされているようです。23科のうち13科がいるのってすごいことではないでしょうか。半分以上です。さすが日本、水の国、いや清流の国。改めて日本の自然資源の質の高さに気づかされました。(すべてではありませんよ、水という部分です)

以下、カゲロウの特徴的なことを列挙します。

川の比較的きれいな流域に生息する
湖沼、浅い池、水田など、止水域に棲む種もいる
時に汽水域でも見られるが、海生種は知られていない
幼虫時代は脱皮回数が多い(通常10回以上)
幼虫の爪は一本
幼虫の期間は半年ないし一年
不完全変態で蛹にならない

ほかにもいろいろありますが、これくらいにしておきます。


おっと、もうひとつためになる情報を仕入れました。それは彼らの学名に秘められた生態の特徴です。それは何かというと…

カゲロウの仲間を「Ephemeroptera」と言うそうです。

ギリシャ語でephemeraはカゲロウを意味し、pteronは翅を意味するとのこと。この二つを合わせてEphemeropteraとしたようです。ここまでは「ああ、そうなの」ってな感じです。注目すべきはephemeraという言葉です。ephemeraはepiとhemeraを合わせた言葉だそうで、英語で言うとepiはon、hemeraはdayを意味し、「その日一日」という寿命の短さを表現したものだそうです。なるほど、そうだったのか! って感じです。

ちなみにehemeraはチラシやパンフレットなどの意味でもあるようで、まさにその日だけのもの、その場かぎりのものを指しています。

そう言えば、春に咲く花たちのなかにはスプリングエフェメラルな〜んてカッコいい呼び方をされるものもありますね。たとえばフクジュソウやカタクリ、エンゴサクの仲間、アズマイチゲやキクザキイチゲなどのイチリンソウ属、ほかにアマナなどが該当するようです。

ここからスプリングエフェメラルの説明に入ってしまいそうですが、長くなったので止めておきます。いや〜、それにしても長かった。一枚の写真でこりゃぁ引っぱり過ぎです。

このブログは日記とメモを兼ねて書いている部分もありますので、どうかご了承下さい。いろいろ書きましたが、私が持っている知識はほとんど含まれておりません。調べたことを記憶に留める努力としてキーボードを叩いております。


(撮影:2010.8.3/つくば市)

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