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嘘ついたら、ブナ千本の〜ます!?

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いきなりですが、筑波山頂付近にはブナ帯があります。徒歩はもちろん、ロープウェイやケーブルカーを利用して山に登ると、そこでは太いブナの木を見ることができます。

ブナと言えば、標高1000メートル以上ある比較的高い山に生えている印象が強いんじゃないでしょうか。でもね、877メートルの筑波山にも生えているんですね〜

以前、筑波山にはブナの木はそれほど多く生えていないのではないか…とも言われていたそうです。人によっては「150本、いや300本くらいだろう」な〜んて感じだったらしいですよ。それなりに著名な植物の先生が言うもんだから、なんとなく「そうなんだろう」とみんな思っていたようです。

ところが…300本なんて大嘘! 1000本どころじゃありませんでした。実際に調べてみたら、なんと約7000本(6905本・イヌブナ含む)あったそうです。これには驚きました。山全体でどんな風に生えているかというと…

上の写真がブナ(イヌブナ含む)の植生分布の模型です。双耳峰の筑波山の形が何となくおわかりでしょうか? これを見ると、山頂だけでなくかなり標高の低い場所にも生えているのがわかります。


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ブナの本数を明らかにする調査はじつに大変でした。何を隠そう、私も調査に加わったので苦労がわかります。山のなかを歩き回り、GPSで位置を確認し、タグを打ち込む。木の太さをメジャーで測り、樹勢を数段階に分けて評価。これらすべてをメモして、一本一本の戸籍を作っていくのです。

一言で山を歩くと言っても、道がある場所ばかりではありません。背丈の1.5倍くらいある笹や篠をかき分けて縦横無尽に歩き回るのです。薮漕ぎ(やぶこぎ)とはよくぞ言ったもので、まるで笹の海を泳いでいるような気分のことがたびたびありました。正直言って、泳ぐと言うよりは「溺れまいと必死にもがく」と言った方がその姿にふさわしいと思います。

調査は3〜4人でチームになって行います。笹薮を進むときなどは、あまり前の人と近づきすぎると、弓のようにしなった笹の一撃を食らいます。それは鞭打ちの刑とも言えるもので目に当たった日には、もう涙が止まりません。

試練は笹の薮漕ぎばかりではありません。崖のような場所、切り立った岩場など、「え〜っ、あんなところも行くの?」と、一瞬たじろぐような危険地帯にも足を踏み入れることもありました。こうなるともう探検家の気分です。

毎年、筑波山で遭難する人が数人いるそうですが、今回の調査を経験して遭難してしまう人が出るのもわかるような気がしました。なかなか侮れない山です、筑波山は。


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さて、坂東市(旧岩井市)にある県立自然博物館ではちょうど今、第50回企画展「筑波山/ブナとガマと岩と」を開催中です。来年の1月10日まで開催しているので、興味のある方はぜひお出かけ下さい。

調査協力者のなかには私の名前もあります(ちょっと嬉しいので自慢させてください)。ただし、私の場合は毎回調査に参加していたわけではありません。ちょい役というか、エキストラ風の参加でした。


(撮影:2010.10.24/坂東市)

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コメント

こんばんは!
意外とモミが多いなぁ・・・という印象でしたが、筑波のブナは山頂付近という思い込みのためか、正直ビックリしました。
根拠のない思い込みがそこにあるものを隠してしまっていたんですね。展示期間も長そうなので、博物館にお邪魔してみたいです。

投稿: takao_bw | 2010年11月 1日 (月) 01時04分

返信遅くなりました。

筑波山展、ぜひご覧になってください。

ちょっと遠くなってしまいますが、筑波実験植物園では「きのこ展」を開催中です。こちらもおもしろいですよ〜

投稿: mushizuki | 2010年11月 6日 (土) 21時49分

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