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2010年12月

懐かしさを紡ぐ人たち/Le Sang D’un Poète

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久々の音楽ネタです。洋モノかぶれの私ですけど、ときには日本の音楽も聴くんです。そのなかでとびきり好きなのが「詩人の血」というグループ。

出会いは深夜の音楽番組。それはほんの10分ほどの番組です。たまたまテレビのスイッチを入れたら彼らの歌が流れていました。確か「バタフライ」という曲でした。初めて聴く曲なのにとても懐かしく感じたことを今でも思い出します。聴き終えたら演奏グループの名前が映し出されます。フランスの詩人、ジャン・コクトーの詩(小説だったかな?)と同じタイトルだったので記憶に残りました。かれこれ20年くらい前のことでしょうか?

あまりにも深く、懐かしく、甘い歌だったのでさっそくCDを購入。どの曲を聴いても「新しさと懐かしさ」という相反するものが同時に押し寄せてきます。この奇妙な感覚がたまらなく心地よく、繰り返し聴いたものです。

このジャケットはファーストアルバムのものです。このあと、新しいアルバムが出るたびに買い続けました。枚数を重ねるごとに洗練されていくのですが、本流のところにあるものは心地よい懐かしさだったと確信しています。ファーストアルバムなどはベストアルバムとも言える曲が並んでいます。詞や曲の構成の素晴らしさに加え、ヴォーカル(辻むつし)のうまさ、演奏やアレンジの見事さがどの曲にもちりばめられた名アルバムだと私は思います。

でも、なんで売れなかったんだろう?

きっと時代が早過ぎたのではないのでしょうか。バブルの夢覚めやらぬ時代に「懐かしさ」なんて無用の長物だったのかもしれません。振り返ることより先を読むことの方が大切だったのでしょう。ならば、平成不況のこの時代に彼らが登場していたらどうでしょう…売れたでしょうか? ちょっと気になります。

ところで、音楽を聴いて自分のどこからか何かがす〜っと抜けて行くような感覚を覚えたことはありませんか? そこに残ったものがなんとも言えぬ平穏な気持ちだったりすることはありませんか?

もし、そんな気分を味わいたかったら一度聴いてみてください。

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レンガでできた虹…天に架かる橋

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「空に虹がかかっている」と言うとファンタジックです。でもこちらはレンガ造りの虹。色数は乏しいですが、なかなか味があります。この虹、多くの方が「見覚えがある」と思うのではないでしょうか?

こちらは群馬県の碓氷峠に架かる通称「めがね橋」です。正式には碓氷第三橋梁と呼ばれており、昔は鉄道が通っていました。急勾配を走るため、アプト(アブト)式と呼ばれるラックレールを使用していたそうです。開通は1893年で中山道線という名称だったという話です。横川と軽井沢を結ぶことから横軽線、碓氷峠を越えることから碓氷線とも呼ばれていたみたいです。


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なるほど、横から見ると車両が通る幅しかないのがよくわかります。それにしても、よく倒れずに今なお立っていると感心してしまいます。すでに百年を経過しているわけで、19世紀の設計者や技術者の能力が想像を遥かに超えるものであることがわかります。これはもう橋ではなく、時代そのものが残っていると言ってもいいのではないでしょうか。いや〜、感動的です。でも、峠道にあるため通りすがりに目をやるくらいで、暇のある人、いや時間に余裕のある人しか立ち寄ったりしないでしょう。でもね、見ればわかると思いますが、これは貴重な建造物ですよ、確かに。

じつはこの橋の上に登ることができ、さらにトンネルを通ることができるのです。この時季ですから、トンネルの中はものすごく涼しい風が吹いています。レンガ造りのため、ワイン工場の地下貯蔵庫にいるような錯覚に陥ります。さらに嬉しいお知らせというわけではありませんが、かつて線路が敷かれていた路線は「アプトの道」と呼ばれるハイキングコースになっています(このブログで昨年紹介しています)。


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この角度からだと、何となく見覚えがあるのではないでしょうか。ルネ・マグリットが描きそうな絵のように思えて仕方がないのですが、いかがでしょう?


(撮影:2010.12.11/群馬県安中市)

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足利の夜と闇の鏡

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今、栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」では夜のイルミネーションを公開しています。ひと月ほど前にも仕事で行ったのですが、今回は子どもたちにも見せてやろうと思い一緒に出かけました。

出かけたのは日曜の夜。明日はみんな仕事だろうから見物人は少ないだろうと思ったら…。ところがどっこい大間違い。駐車場に空きがないほどの大賑わいでした。

園内は眩しいほどにキラキラ輝いて、まるで光の花が咲いているようでした。夜の公園を光で飾るという企画を最初に考えた人はすごいなぁと改めて感心。一般企業が運営する遊園地ならともかく、ここは公共の公園ですからねぇ。最初は反対意見も多かったのではないかと想像します。企画立案した人も偉いですが、Goサインを出した責任者も決断力があると思います。


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ところで、イルミネーションは本当に素晴らしいですが、本来の花を展示する公園としてはどうなのでしょう? 昼間に来たことがないのでなんとも言えません。でも、大勢の人が光のページェントに感動しているのだからこれでいいのでしょう。とくに楽しそうな若いカップル、歓声を上げて走り回る幼い子どもたちの笑顔を目にすると、このイルミネーションの存在価値がわかります。

あしかがフラワーパークにはところどころに池のようなものがあって、近くにあるイルミネーションが水面に反射しています。これがまた幻想的でよかったです。じっと見つめていると引き込まれそうで恐いくらいでした。


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人間の感覚はいい加減なもので、水面に何かが映っているとそこが水であることがわからなくなってしまようです。よく室内に飛び込んだ小鳥が錯覚を起こしてガラス窓に激突して気を失うことがあります。それに似たことが自分の脳内でも起こっているのがよくわかりました。

ところで、水って明るいときと暗いときでは反射率や透過率が違うんでしたっけ?

正直に申し上げます。写真はすべて手ブレしています。本来なら見られたものではありませんが、夜の光ということもあって手ブレが功を奏していい味を出しています。

入場料は600円(子どもは300円)だったと思います。これを高いと思うか安いと思うかは、その人の楽しみ方次第でしょう。イルミネーションは来年の1月中旬までやっています。


(撮影:2010.12.12/栃木県足利市)

12月15日追記
訂正があります。あしかがフラワーパークは一般の企業が運営する施設でした。てっきり県営かと思っていたのですが、じつは違いました。

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尻尾に見えるか、鬣に見えるか

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ワープロで“たてがみ”を変換したら「鬣」と出ました。一字だけ示されたら読めませんね、私。パソコンのワープロソフトを使っていると、どんどん漢字を忘れてしまいそうで恐いです。読めるけど書けない。そんな漢字がすでにいっぱいです。

どうです? 最近、筆記用具を使って字を書く機会がめっきり減っていると思いませんか。時代は変わりましたね。いいのか、悪いのか、わかりませんが…

さて、愚痴っぽいプロローグとなりましたが、本題は美しい植物体の話。こちらはコケです。シッポゴケの仲間と思われますが、本当の名前はわかりません。ヘリトリシッポゴケ、ユミゴケ、ミヤマシッポゴケ、カモジゴケ、シッポゴケ…と候補はいくつもありますけど、図鑑の写真だけでは断定できません。本格的にコケを調べるとなると顕微鏡が必要です。ほしいなぁ、顕微鏡。

それにしても、シッポゴケとはユニークな命名です。私には鬣に見えます。


(撮影:2010.11.1/福島県矢祭町)

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位の高いコケ?

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前回からの流れでコケが続いて恐縮です。でも、こちらのコケはコケと思わない方も多いのではないでしょうか。外見上は間違いなく草に見えると思います。名前さえコウヤノマンネングサと言うくらいですから。

コケと言うとあまりいいイメージがないような気がします。暗いとか、じめじめしたところに生えているとか、古くさいとか、そんな負のイメージがつきまとうものの代表でしょう。おまけに、「コケにするな!」と言うくらいですから。

コケであるにも関わらず、こちらは草という名称を冠しています。ということは、コケよりも位が高いということでしょうか? んっま、そんなことはないとは思いますけど…とにかく美しいコケであることは間違いないですね。


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さて、万年草と言うからには一年中緑でいるということなのでしょうか。そうそう、マンネングサといえば多肉植物でマンネングサ科に分類される一群があります。こちらは多肉植物ということもあり、水をやらなくても萎れたり枯れたりしないからマンネングサの名称がついたとか。写真のコウヤノマンネングサはと言うと…高野山に生え、地下茎からどんどん芽を出して増えることから名付けられたというお話です。

繰り返しますが、じつに美しいコケです。こちらはコウヤノマンネングサ科に属するコケです。この科にはコウヤノマンネングサ、フジノマンネングサ、そしてフロウソウという三種しかありません。三種とも似たような外見をしていますが、一番洗練されているのがコウヤノマンネングサのような気がします。

きっと実物を見たら、「確かに美しい」と思うことでしょう。いや、そう思っていただきたいと願っています。

今回のリポートもだいぶ前の記録からになります。訪問先は滝川渓谷です。


(撮影:2010.11.1/福島県矢祭町)

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モールのようなコケ

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ミズナラの幹にたくさんついていました。ふかふかした印象のコケだったのでさわってみると、とても弾力があって肌触りはいい感じ。

少し持って帰ろうと思い、引きはがしてみました。すると、なかなかはがれません。おまけに引っぱる力に対して、かなりの抵抗力を持っています。ちょっとやそっとではちぎれない強靭なコケであることが判明しました。


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名前を調べてみたら、チャボスズゴケというコケであることがわかりました。外見上の特徴が顕著なので一度見たら忘れないでしょう。たとえるなら、子どもの頃に工作の時間に使用したモールと呼ばれるものに何となく印象が似通っています。ただし、モールは均一の太さですけど、このコケは元の方から先端にかけて細くなっています。

「コケなんかどうでもいいや」と思う方が多いのではないかと思いますが、よく見てみるといろんな発見があっておもしろいものです。多くの種は生育する環境が決まっているので、「こんな場所にはあのコケがあるはず…」などと、推理してみるのも楽しいです。

言っておきますが、私はコケに関して素人です。ただ姿形を見比べて判断しているだけ。ましてや名前などほとんど知りません。それでもコケを見るのはとても楽しいものです。これから冬に向かい、花や虫も少なくなります。そんなときこそ、シダやコケ、地衣類を見るのがいいと思っています。

ずいぶん前の写真です。ここのところ、生きものを素材にしたものから遠ざかっていたのでなんとなく書いてみました。そんなわけで、撮影時から気になっていたコケを今ごろになって調べてみたわけです。


(撮影:2010.10.4/栃木県日光市)

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