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「とろろこんぶ」と幹を這う竹の根

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木の幹にぶら下がるこの物体は何でしょう?

見た人の多くはそう思うに違いありません。

よく見ると節のようなものがあります。竹林の中で、地上に這い出た竹の根を見たことがある人なら「似ている!」と思うことでしょう。とすると「これは木に根を張ろうとしている小型の竹かも…」なんて想像も働きますが、じつは違います。

これは地衣類の一種です。地衣類とは菌類と藻類が共生する生命体とでも申しましょうか、ちょっと変わった生きものです。その多くには○○ゴケという名前がついているので、コケと思っている人も多いのではないでしょうか。コケというと、蘚類・苔類・ツノゴケ類と三つの分類があります。でも地衣類はこれらとはまったく違うものです。

地衣類にはいろいろなタイプがあります。葉っぱのように広がるもの、粒状のものを多数つけたもの、細かい枝状に分かれて角のように伸びるもの、糸状になって高所からぶら下がるものなど多様な形態を持っています。

著しく知名度が低く人気のない地衣類ですが、「サルオガセ」という名称はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。空気の澄んだちょっと高い山のなかに生えていることが多いので、ハイキングや高山植物に興味のある方なら見たことがあるかもしれません。私の場合、サルオガセを遠くから見ると「とろろこんぶ」に見えて仕方がないのですが…。今回ご報告した竹の根のような物体ですが、そのサルオガセの仲間ではないかと思われます。

名前まで特定しようと図鑑で調べてみました。その結果「ヨコワサルオガセ」ではないかと判断。

葉っぱ状、粒状、枝状の地衣類は近所でもよく見かけますが、この写真のタイプは特定の場所に行かなければ見ることがありません。ですので、地衣類ということさえピンと来ません。

う〜ん、何度見ても地衣類とは思えぬ形態です。


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見つけたのは、先日報告した雪の降り積もる奥日光です。こんな環境のなかで逞しく生き抜いているということに改めて驚いてしまいます。今後、時間があるときに地衣類の「耐寒」に関わる生態や機能を調べてみたいと思います。


(撮影:2011.2.11/日光市)

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