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2011年4月

緑の森の黄色いキャンドル

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ムーミン谷のニョロニョロにも見える不思議な植物。


それはオロンティウム・アクアティカム(Orontium aquaticum)。こう見えてもサトイモの仲間です。


なんでも原始的なサトイモ科植物だそうです。極端にデフォルメすれば、同じサトイモ科であるミズバショウの原型とも思えなくはありません。原産は北アメリカ東部だそうです。


以前にもこのブログで報告したことがあるオロンティウム・アクアティカム。数年前に撮影した時、この花にやたらとアリが集まっていたことを思い出します。もちろん、今回の撮影時にもそのことに注意しながら花を見つめてみました。


やっぱり! 


そうなんです。花先の黄色い部分でアリがうろうろしていました。この黄色い部分のどこからか蜜でも出ているんでしょうか? それとも花粉でも食べに来た?



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こうして見てみるとお菓子のようにも思えてくるから不思議です。新発売のスナック菓子だとしたら食べてみたくなりますね〜。なんとなくきれいで人気が出そうな気がします。品名はズバリ、「オロンティ」。


やっぱ、ダメかなぁ?


だったら、こんなおしゃれなキャンドルを作ってみたら売れませんかねぇ〜



前回に引き続き、こちらも筑波実験植物園で撮影した花です。珍しい花なので、一度は見ておいて損はないと思います。たぶんゴールデンウィークが終わる頃まで咲いていると予想します。お見逃しなく


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ほかにもシャクナゲの大木が数えきれないほどの花を咲かせています。こちらも圧巻で、花を背景に家族連れや若いカップルが入れ替わり立ち替わり写真撮影していました。手前にあるアセビの白い花越しに見ると美しさが倍増します(個人的な提案)。

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天を衝くピンクの角/フロリダの青い空

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青い空、白い雲、ピンクの花


「いい取り合わせだな〜」と思って、なんとなく撮ってみました。


花の名はハナミズキ。漢字で書くと「花水木」になるのでしょうか?


山に行くとハナミズキに似たヤマボウシという白い花を見かけます。新緑と白い花はとてもよく映えて清々しい印象を与えます。桜のような艶やかさとは対照的な楚々とした姿も、わたしゃ好きですね〜



話はピンクのハナミズキにもどります。この花の別名はアメリカヤマボウシというそうです。「ヤマボウシとは色違いの姉妹です」と言われりゃ、そんな気もしてきます。


ミズキ科ミズキ属のこの二種は同じ属名Cornus(コルヌス)を冠しています。コルヌスねぇ。いったいどんな意味なのかと興味を持って、ちょいと検索してみました。


Cornusとは英語で言うCorn(角)らしいです。しかし、この花のどこが角なのでしょう? 角らしきものは見当たりません。


どうやら角の意味するところは木の材質にあるそうです。ある筋の情報だとこの木はとても堅いとのことで「角のように堅い」ということから命名されたと察することができます。なるほどね〜


正式な学名はCornus Florida。花の印象からするとフロリダからやってきた若い娘さん(貴婦人の方が品があっていいかも)ってところでしょうか。フロリダの青い空がとても良く似合いそうです。


もともとは日本にあった木ではないそうです。大正時代の初め、東京市長がサクラの木をアメリカに贈りました。その返礼として届いたのがこのハナミズキ(アメリカヤマボウシ)だったそうです。つまり「日米親善」の象徴となる樹木ということでしょう。今では庭木や街路樹としていたるところで目にします。すっかり日本人の意識や文化に浸透している木ではないでしょうか。


*


撮影は本日・4月29日、つくば市にある実験植物園にて。ちょうど見頃ですので、ゴールデンウィークのお出かけにいかがでしょうか。

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逆さ壺の甘い誘惑

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花瓶というか壺というか、不思議な形をしているのがアセビの花です。この壺を逆さまにしたような花からは、とても繊細でやさしげな香りが漂ってきます。


漢字で書くと馬酔木。グラヤノトキシンという植物毒を持っているので、馬や牛、鹿などの草食ほ乳類が食べると中毒します。名前の由来もそのあたりから来ているのではないでしょうか。


*グラヤノトキシンは3種類あるそうです。アセビをはじめとするツツジ科の植物が持っているのはグラヤノトキシン1です。ロードトキシン、アンドロメドトキシン、アセボトキシンとも呼ばれるそうです


この毒を持っているのはアセビだけでなく、レンゲツツジやネジキなどのツツジ科植物も同様だそうです。言われてみれば、牧場などでレンゲツツジがたくさん咲いている場所があります。きっと馬や牛が食べないので、ほかの植物がなくなってもレンゲツツジだけが残るのだと思います。


ツツジ科の仲間であるアセビですが、少し前までツツジ科であることになかなか納得できませんでした。ツツジの花と言うと、名前の通りのツツジ、サツキやシャクナゲの花の形を思い浮かべてしまいます。あの小さな袋状のアセビの花の形とはどうしても合致しなかったのです。今思い返してみると、ドウダンツツジの花に似ていると考えればよかったのだと反省しています。


ツツジの仲間は山などに行くとよく見かけます。岩場や乾燥した崖などでも平気で育っているので、痩せている土地や荒れている土地に先駆的に進入する植物なのかと思ったこともありました(ツツジのことは詳しく知らないので、本当のことはわかりません)。


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アセビの花に話を戻します。冒頭から花瓶あるいは壺を逆さまにした形と表現していますが、じつにかわいらしいデザインです。こんなランプシェードがあったら素敵だなぁと思います。いや、すでにアセビの花を模したようなランプシェードを見たような気がします。きっと気の利いたデザイナーは、自然からいろんなことが閃くのだろうと思います。


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じつは先日、仕事で箱根の山を歩いてきました。遠くから山を眺めると、上の方に桜のような白い花が所々で咲いています。桜とはちょっと趣が違うので「何だろう?」と悩みました。その後しばらくして、アセビであることに気づいたというわけです。


今回の新たな発見は「箱根の山にはアセビがたくさんある」ということ。


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歩いたのは「箱根旧街道」の一区間、畑宿から恩賜箱根公園までです。この公園には芦ノ湖と富士を一望できる展望館がありますが、ここからの眺めは最高でした。

ちなみに、アセビの写真はこの公園で撮ったものです。

(撮影:2011.4.14/箱根町)


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世界一長い臨床試験

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新しい薬が開発されると、まず行われるのが動物実験。病気の動物に対する有効性や安全性が確認できたら、次に病気を患っている人に投与し、人間に対する治癒率や副作用を検証しているような気がします。


(以上のことは想像なので実際は違っているかもしれません)


この一連の検証作業を「臨床試験」と言うのだろうと思います。ところで、新薬の臨床試験の期間はどれくらいなのでしょう?


おそらく、長くても数年ではなかろうかと想像します。何十年も何百年も臨床試験を繰り返している薬など聞いたことがありません。この「臨床試験」という言葉を聞くと、いつも思い出してしまうものがあります。


それは、きのこ。


薬ではありませんが、きのこは何百年も前から人間自らが臨床試験を繰り返し、その結果を代々伝えてきたのだと思います。改めて考えると、これってすごいことではないでしょうか。


「このきのこは食べられる」「このきのこは毒がある」


言葉にするのは簡単ですが、その根拠を実際に食べて検証してきたのだから驚きというほかありません。昔の人は意外にもチャレンジャーだったのでしょうか。それとも、あまりにも食べるものがなかったのでしょうか。


この貴重な知的財産ですが、残念なのはすべての人に伝えられていないことです。特定の人、たとえば「きのこ好き」や「食料として必要としている人」「独特の味に魅せられた人」にしか貴重な実験結果が伝わっていません。とてももったいないことです。食文化が継承されず途絶えてしまうような気がします。


「きのこなんか食べなくたって生きていけるよ!」と言われればそれまで。食べ物があまりにも豊富なことが、きのこにとっては強い逆風になっているようです。


今でこそきのこの見分け方や食の可否、新知見や毒の分析結果などが一冊の本にまとめられていたりします。これで何百年にも及ぶきのこの臨床試験の結果が次代に伝わることでしょう。ちょっとほっとしています。



写真はキシメジ科のホシアンズタケです。透明感のあるピンク色がとても印象的なきのこです。傘の表面には網目状のしわがあります。図鑑には「果実のような芳香を放つ」とあります。食べられるきのこですが苦みがあるようです。


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胸いっぱい吸い込んで!/放射能はダメでも化学物質はいいんだぁ?

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ほとんどテレビは見ませんでしたが、この頃は少し見るようになりました。相変わらずコマーシャルは興味深いです。



芳香剤のCMは、何年か前から急激に増えてきたように感じていました。先日見たのは、据え置き型に加えてスプレー型の芳香剤をまき散らしているCMです。「ダブルで匂う」みたいなキャッチフレーズで迫ってきました。だめ押しは「○○ちゃんのお部屋はいい匂い」ってな言葉を発してうっとりしている男性の姿。しかもあんなに吸い込んで…


大丈夫なんだろうか? ほんとうに。


決めつけはよくありませんが、匂いの元は化学物質だと思います。CMのなかでは、その化学成分を一度たりとも“無害です”とは言っていません。繰り返します。大丈夫なんだろうか、ほんとうに。

良い香りで満たされることが「良いこと」「幸せなこと」「心地よいこと」というイメージに直結していませんか。ひょっとすると、人間の潜在意識の中に「いい匂い=いいもの」という方程式ができあがっているのではないかと疑ってしまいます。



匂いに関して言えば、肉体は化学物質の“翻訳機”みたいなものだと思っています。ずいぶん乱暴なたとえですが、そんなものではないでしょうか。


嗅覚細胞にふれた化学物質に応じて、特定の脳内物質が分泌されて信号が伝わっているのでしょう。分泌された脳内物質の種類や量で、いい匂いと悪い匂いが区別されるのだと思います。


ものによってはまったく匂いがしないものがありますが、それは嗅覚細胞にその物質を感知する受容体がないだけなのかも。ということは、匂いとして感じる物質は驚くほど多いわけではないのかもしれません。


もっと妄想を働かせると…
分子構造の一部が特定の形になっていれば匂いとして感じるのではないかと思われます。人間の感覚器官は割といい加減なもので、似たような構造をしているものを感知すると、同じ匂いとして認識することでしょう。


肉体に“誤訳”を起こさせるものが化学物質だと言ったら怒られるでしょうか。現代の生活のなかで、私たちはどれほどの誤訳を繰り返しているのでしょう。さらに誤訳は匂いだけにはとどまりません。味についても巧妙に仕組まれた誤訳物質の罠にはまって「おいしい」とか「もっと食べたい」とか言わされているのだと妄想します。


こんなことを言うと化学物質大反対の急先鋒のように思われてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。カップラーメンは大好きですし、化学調味料たっぷりのスナック菓子は大のお友達です。シュワシュワする飲み物だってよく飲んでいます。


じつは、消臭・芳香剤だって使わせてもらっているんですよ〜


昨年のことです。スーツがなんとなく汗臭くなったので、衣類にスプレーする消臭剤みたいなものを試しました(そのスプレーは消臭剤なのに芳香剤が入っています)。
スプレーした瞬間にとてもいい匂いがしたので、さぞかし翌朝は爽やかな気分で出かけられるのだろうと、ちょっと嬉しくなりました。ところが…


朝、スーツに袖を通すと、いい匂いのような変な匂いのような微妙な香りが鼻をくすぐります。汗と芳香剤、それに煙草のヤニの匂いがブレンドされたスペシャルな香りが誕生していたのです。


消臭芳香剤も効かないほど強力な「おやじフェロモン」を発散しているのかと、自分に幻滅しながら会社に出かけたといういや〜な思い出です。


話は変わりますが、芳香剤などの裏書きに「天然由来成分配合」などと書いてあります。これって自然のものから抽出したという印象を与えますけど、ほんとうは違うんでしょうね。確かにその成分は天然物がもっているものと同じものなのかもしれませんが、化学合成しているのだろうと思います。


「天然由来成分」。この一文って効きます。なぜか自然のものというと安心感を与えます。少なくとも体に悪くないものだと思い込んでしまいますから。でも、よ〜く考えれば天然・自然のものでも毒物はあります。だけどそんなことは思い浮かべませんよね、普通。


天然由来成分。いや〜、強烈なキャッチフレーズです。水戸黄門の印籠にも匹敵するのではないでしょうか。



今日の写真は匂いに関連してカメムシ君。一説によると青リンゴの匂いがするとされるオオクモヘリカメムシです。


このブログの記事のカテゴリーに「カメムシTRY!」という項目があります。これは見つけたカメムシの臭いをかいでみたレポートです。つまり、私はよくカメムシの臭いをかいでいるということになります。


ほとんどの人がカメムシと聞くと顔をしかめます。図らずも強烈な臭さの象徴にもなっている悲しい昆虫です。


みなさん、それは先入観ですって!


そう言っても信じてもらえるはずもないでしょうが、臭いをかぎ続けているとあの臭さの中に“いい匂い”がブレンドされているのを感じるときがあります。そうなんです、カメムシの臭いにはさまざまな匂いが混じっているのです。


“匂い”は調合を間違えると“臭い”になります。


これは私が身をもって体験した事実です。言い換えれば“臭い”のなかに“匂い”がある、こともあるということでしょうか。


世界的に有名な某ブランドの香水にはカメムシ臭の成分が含まれているといいますから…


騙されたと思って写真のオオクモヘリカメムシの臭いをかいでみてください。ほんの一瞬、高級ブランドのパフュームの香りを楽しめます。
(ただし、匂いの感受性には個人差がありますので保証は致しかねます)

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ダンスが好きになる呪文/Kiss Me Kiss Me Kiss Me

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私はダンスが嫌いでした。

踊るのも、見るのも。ついでに演劇も。

ミュージカルは何がおもしろいのかさっぱりわかりません。

なぜ、劇の途中に突然大声で歌いだすのか不思議でした。

大袈裟な身振り、必要以上に大声の台詞、

舞台をあちこち動き回る落ち着きのなさ

どれも気にさわるものばかりです。


「きっと、自分にはダンスやミュージカルを理解する感覚がないのだ」と諦めていました。


そんな自分を変えてくれたのが、The Cure(ザ・キュアー)というロックバンドです。彼らの作品に『Kiss Me Kiss Me Kiss Me』(キス・ミー、キス・ミー、キス・ミー)というアルバムがあります。このアルバムのなかに『Why Can’t I Be You?』という曲が入っています。この曲のプロモーションビデオを見て考え方が一変しました。

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ビデオでは、着ぐるみを身につけたり、顔に色を塗ったり、50年代のアメリカのファッションをした人たちが適当に踊っています。身振りはみんなバラバラで、とてもとても真面目に作ったとは思えない出来映え。でも、それがすごく楽しそうなのです。


少なくとも私にとって、生まれて初めて「ダンスって楽しいものなのかもしれない」と感じさせてくれた作品です。とにかく、何度も見たくなる不思議なビデオクリップです。きっと、曲も踊りに合ったアップテンポのリズムだったことも影響しているかもしれません。


冒頭で踊りや演劇が嫌いだと書きましたが、一部には好きなものがあります。それが保育園・幼稚園児の踊りや演劇です。彼ら彼女らには、うまく見せようとか感動させようという下心が一切ありません。踊るだけ、台詞を間違えないようにするだけで精一杯。でも、一生懸命に踊ったりしゃべったりする姿が感動を与えてくれるのです。


介護施設などでお年寄りのために歌や踊りを披露する園児たちの話を聞きます。そんな園児たちのサービスはお年寄りたちにとても好評だそうです。


お年寄りが喜ぶ気持ちがなんとなくわかります。たぶん、たぶんですが…お年寄りたちをプロのミュージカルや演劇に連れて行っても喜ばないと思います。かえって小さな子どもたちの拙い演技の方が心に響くのではないでしょうか。


今回のどうでもいい話は、ダンスや演劇が嫌いな私に響いたのがザ・キュアーの『Why Can’t I Be You?』のプロモーションビデオだったという話でした。


『Kiss Me Kiss Me Kiss Me』というアルバムは自分にとって思い出深いものとなりました。このあと『Disintegration』というアルバムも購入しましたが、こちらはこちらで趣の違うシリアスな音が凝縮されていて感動しました。

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