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上高地 白黒劇場/梓川が作り出す世界

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山に雨はつきもの。雨に煙る風景もいとをかし。


標高約1500メートルに位置する上高地。長野県松本市にあり、年間200万人もが訪れる場所であります。いわゆる日本有数の観光地のひとつです。


誰に聞いても「いいところだ」と答が返ってくることでしょう。やはり長野県というだけで特別なイメージを抱いてしまいます。まさにブランドとも言える観光地ではないでしょうか。ガイドや添乗員など、旅行業界の人に話を聞いても「第一級の観光地」という評価がほとんどです。


しか〜し、第一級の観光地でも雨は降るのです。悪天候のときに、第一級のブランドがどのようなおもてなしをしてくれるのか、とっても興味があります。


先日、その上高地に行ってきたわけであります。お天気は雨。せっかく来たのだから、濡れることなど気にせずにどんどん歩いてまいりました。もちろん写真を撮りましたが、まるで白黒写真のようです。

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こちらは、かの有名な河童橋。芥川龍之介の小説『河童』の舞台になったことでも知られています。もちろ〜ん、たいていの旅行雑誌や観光地ガイドには、この橋と背景の山々を構図に収めた写真が掲載されています。


う〜ん、雑誌に載っているような写真は撮れるはずもないお天気。でも、雑誌やテレビでは見られない風景を見られたのだから、ちょっと得したと思わないと損かもしれません。

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こちらは河童橋のちょっと先にある川沿いで撮ったもの。しっとりとした空気感というのでしょうか、立ち籠める靄と山に棚引く雲の雰囲気がすごくよかったです。刻一刻と変化する風景にしばらく見とれてしまいました。

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林のなかを歩くと沢などがありまして、これまたいい雰囲気でした。カワガラスが岩から岩へとすばしこく動き回っていて、その様子をしばらく観察してしまいました。


カワガラスと言ってもカラスとはまったくの別物で、スズメ目カワガラス科の鳥(カラスは同じスズメ目でもカラス科)。大きさはツグミくらいで、カラスとは比べ物にならないくらい小さいです。水のきれいなところにいる鳥で、水中に潜ったり、川底を歩いたりします。水生昆虫や小魚を食べるそうです。


(余談ですが、茨城でも北部の清流に行くとこの鳥をよく見かけます。北茨城市の花園渓谷や高萩市の花貫渓谷で見た記憶があります)

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こちらは河童橋の先にある明神橋です。この橋の近くにあるのが明神池。池を見るのには300円の入場料(神社の参拝料)がかかります。


今回の上高地訪問は、沢渡(さわんど)のバスターミナルからシャトルバスに乗り換え、一番手前の大正池バス停で下車。大正池から田代橋、河童橋、明神橋、そして明神池を巡り、上高地バスターミナルから再びシャトルバスに乗って沢渡に帰ってきました。


第一級のブランド観光地は、他の観光地とどう違うのか。今回はそんなことを考えながら歩いてみました。今回は穂高の山々が見えなかったので、その実力は計り知れません。感じたことは、梓川がこの観光地の清涼な雰囲気を醸し出しているような気がしたということ。水の色、川の音、絶妙な川幅や蛇行具合、河原の様子、そしてそこに架かる橋など、いろいろな面で梓川が観光地としての評価を高めることに一役買っていると思いました。


ほかにも標高や地質、背景の山々など、さまざまなものが影響し合って上高地という観光地を作り上げているのでしょう。特別名勝であり特別天然記念物にもなっているわけですから、ほかとはひと味違うはずです。また、明治時代に外国人らによって海外に紹介されたということもブランド化に大きく貢献したのかもしれません。


槍ヶ岳に登った外国人が「Japan Alps」という表現を使ったことで今の「日本アルプス」という言葉が生まれたそうですから…


(撮影:2011.7.30/長野県松本市)

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