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美人ブナと熊の気持ち

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美人妻ではありません、美人ブナです。


ブナは意外にも色白ですべすべ肌の持ち主です。


ブナの木と言うと、たくさんのコケ(ほとんどが地衣類、たまにコケも生えています)が着いた樹皮が思い浮かびます。樹齢を重ねれば重ねるほど付着は多くなるものです。ですが、本来はご覧のように見紛うような美肌なんです。


ちらっと見ただけでは、この木がブナだと気づかないかもしれません。


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先日、谷川岳の一ノ倉沢出合まで行ってきました。谷川岳ロープウェイの駐車場から片道3キロ強を歩いていたわけですが、その途中にはご覧のような美肌のブナがたくさん生えています。美肌ブナは樹齢の若いものがほとんどでした。


ブナの樹皮はあまりシワや割れ目がありません。ですので、降雨時に樹皮全体を伝わって水を地面に導くようです。地衣類やコケはそのことをよく知っているようで、好んでブナの木に付着するように思えます。


ブナと言えば、その種子が熊や小動物の貴重な食料であることが知られています。ちょうど今の時季に、越冬の準備のためにたくさんの動物たちがブナの実でお腹を満たすことでしょう。その消費量はいったいどれほどなんでしょうか?


森の動物たちに実を分け与えてくれるブナの木って、なんとなく森のお母さん的な存在のように思えてしまいます。


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ブナの実はこんな形をしています。いわゆるドングリというものです。茨城県南地域の雑木林で見られるのは、コナラやクヌギのドングリ。殻斗(かくと)と呼ばれる帽子をかぶっています。標高が上がるとミズナラのドングリも見られます。


コナラもクヌギもミズナラも、みんなブナ科の木です。でも、ブナのドングリって一つひとつの実に殻斗があるわけではなく、クリのいがのようなものに包まれています。クリもブナ科の木ですので、似ているといえば当然でしょうか。


ドングリの形から分類すると、ブナとクリって意外にも近い関係のように思えてきます。写真からもわかるように、殻斗にあるひげのようなものが針みたいに鋭くなればクリのいがにそっくりです。しかも割れ方もクリにそっくり。さらに実の形だって、太らせればクリの実と同じになりますよね〜


さて、食べられるドングリと言うと、ブナ・スダジイ(ブナ科)・マテバシイ(ブナ科)があります。このうち生でも食べられと言われているのがブナです(スタジイも生でOKだったかも)。この話を知っていたので、いつかは食べてみようと以前から思っていました。


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実際に食べてみると、小粒ながらなんとも言えない風味がありました。香ばしいというと誇大表現になってしまいますが、アーモンド類が持つ独特の香りがわずかに鼻に抜けるような感じでした。


「こりゃ、イケる!」と思わず呟いて、拾っては剥き、剥いては食べ…を繰り返してしまいました。数多く食べてみると、しっとりとしたものとパサついたものがあるのを感じました。パサついたものは粉っぽくって、歯の表面にくっついたり、口のなかに残ったりします。この二種の感覚は、おいしいクリとそうでないクリを食べた時の印象に似ていました。


初めて食べてみて、予想以上においしいものであることがわかりました。なるほど、熊や小動物がブナの実を好んで食べるのも納得です。もし、機会があったらどうぞお試し下さい。


蛇足ですが紅葉情報を…
2011年10月8日時点で、一ノ倉沢は頂上付近が紅葉している状態です。見頃は10月20日〜25日頃と地元の人が言っていました。


(撮影:2011.10.8/群馬県みなかみ町)

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