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七色絨毯、桂のかほり

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遠くから眺める山の紅葉はじつに美しいものです。ところが、その紅葉のまっただ中に足を踏み入れると、また違った美しさに出会えます。


紅葉の森にいると頭上や遠景の景色にばかり目が行きがちですが、足元に目を向けると山の紅葉に負けないくらいの色の競演が繰り広げられているのです。


ケヤキの下は鈍い赤茶、ミズナラの下は黄色、シラカバやダケカンバの下は明るい黄色、そしてモミジの下は鮮やかな赤が広がっています。樹木が混生しているところでは色が入り交じった複雑な色を表現しています。


森の入口から奥深くへ歩みを進めていく過程で、さまざまな色の絨毯を踏みしめていくことになるわけです。その色の変化を楽しんでいると、長い道のりもあっという間に終わってしまうような気がします。


さくさくと踏みしめる落葉の音や枝を踏み折る小気味よい音を聞くのも愉快なものです。そばを流れるせせらぎ、時折聞こえる鳥の声など、耳を澄ませると森のなかはいろいろな音で満ちあふれていることにも気づかされます。


はらはらと舞い落ちる葉が目に飛び込んでくることもたびたび。その様子は、秋の終わりに向けて時を刻む秒針のようにも見えてくるから不思議なものです。


楽しみは見ることだけにとどまりません。森のなかを歩いていると、ところどころでなんとも言えぬ甘い香りが鼻をかすめていきます。前を歩いている素敵な山ガールから漂ってくる香水なのかと思いましたが、距離を置いたり時間をずらしたりしても同じ場所から同様な香りを感じます。


その時ふと、あることを思い出しました。「カツラの木は黄葉すると芳香を放つ」という一節。植物図鑑に書いてあった解説の一文です。芳香という曖昧なイメージが一気に具体化しました。


この甘い香りはカツラの匂いに違いない。そう思い込んでしまう自分。また一方で「断定するには材料不足だ」と戒める自分。事実を確かめるために周辺の樹木に目を配ります。カツラの木はあることはあるのですが、その落葉を拾い上げて鼻を付けても甘い香りは感じられません。


納得はいかないものの、カツラの芳香というイメージを拭いきれません。この件についえは今後事実を確かめるということで、宿題という形にすることにしました。

(2011.10.23/日光市)

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