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2012年3月

山越え、谷越え、奈良井宿

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前回からの続き、「そこそこの旅、ぎりぎりの旅」の第三部です。前回は松本城まで報告しました。今回は松本から伊勢までを報告します。



松本城を後にした私たちは、再び駅から電車に乗って次の目的地・奈良井宿へ向かいます(時刻は13:29発)。乗ったのはご覧の電車です。二両編成ですが、新しい車両でした。


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東京から中央本線を利用して松本に来る場合、塩尻から篠ノ井線という路線になります。もしかすると、この車両は篠ノ井線を走る車両なのかもしれません。


松本を発ったこの電車は、塩尻から中央本線に入って木曽福島まで行きます。本当は馬籠あるいは妻籠宿に立ち寄りたかったのですが、この二か所を見るには木曽福島の先にある南木曽駅まで行かねばなりません。電車が木曽福島止まりということもあり、その手前で下車して観光できる奈良井宿に立ち寄ることにしました。


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途中の塩尻までは住宅地や大型の郊外店舗などが車窓から見られましたが、それを過ぎると山間の静かな風景に変わります。線路に沿って走っている道路(国道361)などは、きっと昔の街道だったのだろうと想像がつきます。


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塩尻を過ぎるとほどなくして奈良井駅に到着しました(時刻は14:19着)。駅の改札を出るとすぐに奈良井宿の通りです。中山道の宿場町の一つで、往時の景観が今なお残されていることもあって人気の観光地のようです。


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京と江戸を結んだ中山道には六十九の宿場町があるそうです。江戸の板橋宿から数えると、奈良井宿は三十四番目に当たります。ちょっと前に通過した塩尻から追ってみると、塩尻宿、洗馬宿、本山宿、贄川宿、奈良井宿となります。電車で来る途中で洗馬、贄川などの駅名を目にし、昔の名称がそのまま残っていることがなぜか嬉しく、かなり感動したことを思い出します。


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話は脱線しますが、地方都市などで地名変更などをする際に、歴史的な背景や地理的特徴を表した地名をたやすく改名してしまう例が数多く見受けられます。時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、とても残念で仕方ありません。


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さて、奈良井宿の様子です。建物が軒を連ねている距離は、現存する宿場として比較的長い方ではないかと感じました。見るからに古い建物は数軒ありますが、改修して新しくなっているものが多いと思います。細かい点は別にして、景観としては素敵だと思います。


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自らの足で旅をする時代は、たいそうな賑わいだったのだと思います。何と言っても木曽の険しい山のなかにある宿場ですから、旅人がこの街並を見た時の安堵感といったら、今の私たちには想像できないものだったのではないでしょうか。


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奈良井駅を後にして名古屋に向かいます(時刻は15:36発)。途中、中津川で一度乗り換え(17:01)て、名古屋到着となります(18:18着)。


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やってきました、名古屋です。2002年の夏に一度来たことがあるので、約10年ぶりです。当時、名古屋の駅が明るくてきれいだったことを思い出しました。今回もその印象は変わりません。個人的には東京周辺の駅などよりずっと好感が持てます。


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時間があれば駅周辺を散策してみたかったのですが、今回は夕食を食べるだけとなりました。立ち寄ったのがこちら、「グランジャー ミズノ」。名代みそとんかつの看板が目印です。個人的にとても気になったのが“グランジャー”という名称。いったいどういう意味なのでしょう。いまだに気になって仕方ないのですが、謎は解けぬままです。


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頼んだのはこちら、看板になっていた味噌とんかつです。しかも、これは焼きとんかつ。めちゃくちゃうまいというものではありませんでしたが、また食べてみてもいいと思いました。


余談ですが、やけに心に残ったのが皿の上にちょこっと盛られているスパゲティです。作り置きの冷めきったカレー味のスパゲティなのですが、カレー粉とスパイスが利いていて、合間に食べるととんかつの味が実に引き立ちます。店主の粋な演出を感じさせる一品でした。


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名古屋で夕食を済ませたら、あとは伊勢に向かうのみ。19:30の快速みえ23号に乗り込みます。


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この車両はディーゼルエンジンで動く気動車だそうですが、約1時間30分で伊勢に到着となります。今回、中部地方を走る列車をいくつも見ましたが、関東圏を走っている列車よりもデザインがいいような気がしました。


伊勢市駅に到着したのは21:09。予約しておいたビジネスホテルに宿泊となりました。


次回へつづきます。

(撮影:2012.3.10)

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松本城の背後にある幻の城

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前回からの続き、「そこそこの旅、ぎりぎりの旅」の第二部です。各駅停車で行く松本〜名古屋〜伊勢 一泊二日の行程を時間とともに追ってみます。



朝5時に常磐線下りの始発に飛び乗り、東京を経由して中央本線で神奈川、山梨を通過して長野へ。長野から岐阜、愛知、そして三重へ向かいました。往復だとどれくらいになるのでしょうか? 1000キロまではいかないかもしれませんが、一泊二日で7〜800キロは移動したと思います。


初日の朝はみぞれ混じりの雨。午前4時半頃に家を出て、冷たい雨に打たれながら駅に向かいました。改札口でS君と落ち合い始発に乗り込みます。車内はがらがらかと思いきや、土曜日のためかそれなりに乗客がいました。


途中で夜が明けてうっすらと明るくなるも、どんよりとした雲に覆われた空は、とても旅立ちの朝を祝福してくれるようなものではありません。しかし、そんな重苦しい気持ちを引きずりながらも、非日常的な時間が始まったことに期待感が徐々に膨らみます。


7時7分。雪がちらつく新宿から中央本線に乗り込み、8時1分に高尾で甲府行きの電車に乗り換えます。その頃になると、ようやく東京の雑踏を抜けて落ち着きを取り戻しました。


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車内に貼ってある路線図は、見慣れた常磐線のものとはまったく違うものです。そんな些細なことが新鮮で刺激的でした。


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途中、山梨の塩山で特急列車の待ち合わせがあったので、車外に出て写真を数枚撮影。ちょうど相模湖を過ぎたあたりでしょうか、山梨に入ってから雪が強く降り始めましたが、塩山あたりには雪がありませんでした。


塩山を発ったあと、甲府で再び乗り換え一気に松本へ向かいます。途中は雪の積もった冬景色。小淵沢あたりは特に積雪量が多かったように思います。


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松本駅前です。地方都市らしい景観に親しみを感じます。我が茨城県の県庁所在地・水戸に似ているような気がします。


さっそく松本城に向かいますが、路線バスを乗り間違えてあらぬ方向に向かってしまいました。時間がないので、降車後すぐにタクシーをつかまえて松本城へ。ものの10分もしないうちに到着となりました。


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初めて見る松本城。漆黒の板壁が、雪を被って一段と鮮やかに見えます。国宝ということもあって存在感が際立っています。しかし、私にとっての第一印象は意外にも小さな城というものでした。


この松本城、以前は深志城と呼ばれていたそうです。現在の松本城は、深志城を大修築したものであるので、以前の城とはだいぶ違っているようです。そもそも深志城は、戦国時代の信濃守護・小笠原氏の本城(林城)を守る支城の一つに過ぎなかったといいます。典型的な山城で大規模だった林城に対して、深志城は平城であり支城という理由もあってか小規模なものだったのだと想像できます。そんな話を耳にすると、林城を見たくなりますが、残念ながら今は遺構しか残っていないそうです。ちなみに林城址は松本駅から徒歩1時間ぐらいの場所(松本市里山辺)にあるそうです。


松本城は地元の人たちからは烏城とも呼ばれているそうですが、黒い容姿は確かにカラスを連想させます。黒い城は戦国時代には珍しくなかったようですが、時代を経て白塗りの城が主流になっていったといいます。


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この黒を見ていて、ふと思ったことがあります。黒は熱をよく吸収するので、冬は少しでも太陽熱を吸収して暖かくするのに効果があったのかもしれないということ。屋根の雪を融かすまで効果があったかは疑わしいですが、多少は融雪にも効果があったのかもしれないと勝手な想像をしました。


本心を言うと城の内部までゆっくり見たかったのですが、時間の都合上、外からの見学のみで城を後にしました。歩き始めると松本駅は意外にも近く、バスやタクシーを使わなくてもいいと思えるほどでした。


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今回の松本城訪問で、旅には思い切った割り切りが必要だということを実感しました。本来ならのんびり城を見た後に市街を散策して2〜3時間は滞在したいところ。しかし、次の奈良井宿に行くにはどうしても1時間しかとれません。というわけで、松本城の天守内部の見学は次回にすることにしました。おかげでまた松本に来なければならなくなりました。いつ来られるかわかりませんが、楽しみを取っておくというのも旅土産の一つなのかもしれないと自分に言い聞かせた次第です。

次回へつづきます。

(撮影:2012.3.10)

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そこそこの旅、ぎりぎりの旅/各駅停車で行く松本〜名古屋〜伊勢 一泊二日

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旅に出ました。


今回の旅は、限られた時間と予算でどれくらいの喜びを味わえるかを試す道のりでした。「過酷な旅」と言えばその通りです。


いわゆる“旅行”というものは、ゆとりを持って時間を過ごし、心身ともにリフレッシュするものなのかもしれません。しかし、一度たりともそんな旅行をしたことがない我らは、いつものように「行け行け、go! go!」をモットーにひたすら突き進む道を選んだのでした。


旅の内容はというと…


今回も例のごとく、毎回同行している鉄道マニアのS君と出かけました。JRで販売している「青春18きっぷ」で一日乗り放題。「行けるところまで行ってやろうではないか!」というのが主旨であります。


コースについては、前もって折り返し地点は決めておきました。それが伊勢です。伊勢神宮にお参りして帰ってくるというのが今回の大きな目標でした。


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時間的にも金銭的にもぎりぎりの予算ではありますが、それなりに充実感を味わいたいという貧乏根性が顔をのぞかせます。そこで適度に味付けをして「ぎりぎり旅行」を観光気分あふれる「そこそこ旅行」に仕立て上げることにしました。


初日の伊勢到着までに、以下の3つを付け加えました。

1、松本城の観光
2、中山道の宿場町「奈良井宿」の散策
3、名古屋のソースかつ


帰路にも多少の味付けを施しました。それが以下の点。

1、鳥羽から伊勢湾フェリーで伊良湖へ
2、伊良湖からバスで豊橋へ


往路は中央本線、帰路は東海道本線を利用することで景色の変化も楽しもうという魂胆でありまする。


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そうそう、鉄道の旅のいいところは眠くなっても生死に関わることがないという点。車の旅の場合、居眠りは命を落とす可能性があります。その巨大なリスクを回避できることを考慮すると、自由が利かないこと、多少の退屈さや乗り継ぎの忙しなさは仕方がないことと諦めがつきます。


さて、今回のぎりぎり旅行の道のりについては次回報告したいと思います。


(撮影:2012.3.10)

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