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2013年3月

遠くから呼ぶもの…富谷観音三重塔 彫刻そして絵馬・信仰の証

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しばらく前から続いている桜川市の富谷観音のお話です。今回で最終回にしたいと思います。

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今まで、国の重要文化財である柿葺きの三重塔の話ばかりでしたが、他にも注目したものがあったので記述します。それが本殿の正面にある龍の彫刻。


この龍はかなり精巧に彫られていて、さぞや名のある彫り師が手がけたのではないかと想像してしまいました。口と舌、髭、鱗、そして蛇腹の形状など、よくもこれほど手を抜かずに彫り上げるものだと、思わずため息が出ました。


龍は白く見えますが、所々に緑色をした部分があります。もともと緑で色褪せて白くなったのか、それとも緑の部分は苔なのか、どちらなのかはわかりません。


龍は天に昇る前は青龍で、珠を得て降りてくるときは黒龍に、そして齢を重ねると白龍になると聞いたことがあります。もし、彫刻の龍が白龍ならそうとう位の高い龍なのかもしれません。

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この本堂には複数の絵馬が奉納されています。お寺によっては絵馬堂という建物に飾っていることがあるようですが、富谷観音では本堂がそれを兼ねているようです。


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絵馬を見ると、屈強な武者が物の怪を退治していたり


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武者同士が戦っていたり


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天女が描かれていたり


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如来か菩薩か天女か判別つきませんが、ご来迎の図があったり


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龍と女と武者が描かれていたり…


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説話や伝説、昔話に因んだ絵なのでしょうか? いろいろなものが奉納されています。


絵馬というと、お寺に何かの願をかけて、それが成就したときにお礼として奉納されるようです。そのことを考えると、絵馬に描かれていることは掛けた願に因んだことが描かれているのかもしれません。


一言で表すと悪霊退散、仏の加護、戦勝祈願というようなものでしょうか。災いを退けてもらったお礼、敵に勝利したお礼、ご利益を受けたお礼、救いを差し伸べてもらったお礼など、絵馬からいろいろなことを想像するのが楽しいです。


とにかく、これだけの絵馬が奉納されているのですから、多くの人が信仰を寄せていたお寺なのだろうと想像がつきます。


もうひとつ余談ですが、同寺の仁王門にある像は修復中で見られませんでした。通りかかった人の話だと、かなり立派なものなのだということです。機会を見てまた訪れてみたいと思いました。


(撮影:2013.2.3/桜川市)

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遠くから呼ぶもの…富谷観音三重塔 塔は何を伝えるのか


前回からのつづき、桜川市の富谷観音の話です。

前回に記述した通り、三重塔は室町時代に再建されたと伝えられています。現存する塔が再建時のままとは思えませんし、各所に修繕の手が加えられていることでしょう。


よく見ると、組み物のいたるところに色の違う新しそうな木材が見て取れます。これは明らかに最近修繕されたような感じです。気になるのは、古さを感じさせる黒い木材です。こちらは果たして室町時代のものなのでしょうか?

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いずれにしても、きれいに修繕されていることは確かです。もう少し時が経てば、新しい木材も古びた色に変わって全体的には落ち着いた雰囲気になるのではないでしょうか。このような修繕をするのは宮大工の仕事なのでしょうけど、たいした腕だと思います。そのような技と匠が今後も継承されてほしいと切に願います。

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さて、塔の下層の部分に目をやると上層部とは雰囲気が違います。なんとなく色褪せた感じと古さが漂ってきます。特に目立つのが柱です。柱に使用されている木材はかなりの古さではないでしょうか。ひょっとすると、この柱は室町時代のものかも…と思ってしまいます。修繕が加えられているとはいえ、柱は取り替えるのがたいへんでしょう。継ぎはぎすることは可能かもしれませんが、この柱はそんな様子が見受けられません。


橋の欄干のような部分にある擬宝珠は、鉄製ではなく木材です。しかもちょっと変わった形をしているのが気になりました

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そうそう、柱が気になったので土台部分も見てみました。それぞれの柱は礎石の上に載っているだけです。気になる中心の柱は暗くてはっきりと見えませんでした。2年前の大震災で損傷・倒壊しなかったというのはすごいことだと改めて思いました。


(撮影:2013.2.3/桜川市)

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