日光にいる緑の鹿 霊獣・犀

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再び日光の輪王寺・大猷院(たいゆういん)に行ってまいりました。二度目なので写真は撮らずにゆっくり見ようと思っていたのですが…

不思議な生きものを見つけてしまい、やっぱり撮らずにいられなくなってしまいました。それはいったい何なのかと言うと…

おーっ、緑の鹿です。

かわいいなぁ、なんて思っていたら…


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いやぁ〜、けっこう厳しい顔をしています。というか、真剣な眼差しを感じてしまいました。

よくよく眺めていたら、鹿じゃないように思えてきました。確かに鹿の子模様のようなものがありますし、蹄は偶蹄目のものです。でも何となく違和感があります。

頭には一本の角があります。まさか! ユニコーン? 

うんにゃ、そんなはずないし…

寺院建築にはよく動物が彫られています。十二支の動物かと思いましたけど、十二の中に鹿は入っていません。

ならば、龍や鳳凰、獏(貘)、麒麟など、いわゆる霊獣と呼ばれるものの一種かもしれないという考えに至りました。


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どうやらこの彫刻は霊獣の犀(さい)のようです。犀の特徴はというと…

・体型は鹿
・背中に亀の甲羅を背負う
・一角を持つ
・体には風車紋がある
・脚は細く偶蹄
・腹には蛇腹がある

昔は少し違う姿だったらしいのですが、いつの間にか上記のような特徴を持つ霊獣に変化していったそうです。

さて、日光の緑の鹿は腹に蛇腹はないものの、その他の特徴は一致します。こりゃぁ間違いなく霊獣・犀でしょう。いや〜、知りませんでしたね、犀という霊獣。今回の訪問で目から鱗が落ちました。それにしても大猷院は奥深いです。じっくり彫刻を眺めていたら、一日なんてあっという間に暮れてしまうでしょう。

今回紹介した彫刻はほんの一例です。院内の建築に施されている彫刻の見事さと言ったら言葉では表せません。その芸術性の高さに彫り師の意気込みというか魂を感じてしまいますね。

だけど、どうなんでしょう? 当時の彫り師たちは当たり前にこんなものを彫っていたのでしょうか? もちろん、一所懸命に彫ったでしょうが、これといった見本を参考にせずに自らの思い描くままに彫ったことでしょう(設計図なんてないでしょうから)。

すごいです、本当にすごいです。江戸時代の彫り師(もしかして、大工が彫ったのかも?)や大工は驚くほどの技術を持っていたのだと思います。

う〜ん、もう一度行ってみたくなりました。大猷院に。

ちなみに、犀は日本で生まれた霊獣だそうです。火を防ぐ水の霊獣だそうで、神聖な空間への案内役も担っているとか。つくづく不思議な姿をした霊獣だと思います。

(撮影:2010.11.18/栃木県日光市)

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