ダンスが好きになる呪文/Kiss Me Kiss Me Kiss Me

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私はダンスが嫌いでした。

踊るのも、見るのも。ついでに演劇も。

ミュージカルは何がおもしろいのかさっぱりわかりません。

なぜ、劇の途中に突然大声で歌いだすのか不思議でした。

大袈裟な身振り、必要以上に大声の台詞、

舞台をあちこち動き回る落ち着きのなさ

どれも気にさわるものばかりです。


「きっと、自分にはダンスやミュージカルを理解する感覚がないのだ」と諦めていました。


そんな自分を変えてくれたのが、The Cure(ザ・キュアー)というロックバンドです。彼らの作品に『Kiss Me Kiss Me Kiss Me』(キス・ミー、キス・ミー、キス・ミー)というアルバムがあります。このアルバムのなかに『Why Can’t I Be You?』という曲が入っています。この曲のプロモーションビデオを見て考え方が一変しました。

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ビデオでは、着ぐるみを身につけたり、顔に色を塗ったり、50年代のアメリカのファッションをした人たちが適当に踊っています。身振りはみんなバラバラで、とてもとても真面目に作ったとは思えない出来映え。でも、それがすごく楽しそうなのです。


少なくとも私にとって、生まれて初めて「ダンスって楽しいものなのかもしれない」と感じさせてくれた作品です。とにかく、何度も見たくなる不思議なビデオクリップです。きっと、曲も踊りに合ったアップテンポのリズムだったことも影響しているかもしれません。


冒頭で踊りや演劇が嫌いだと書きましたが、一部には好きなものがあります。それが保育園・幼稚園児の踊りや演劇です。彼ら彼女らには、うまく見せようとか感動させようという下心が一切ありません。踊るだけ、台詞を間違えないようにするだけで精一杯。でも、一生懸命に踊ったりしゃべったりする姿が感動を与えてくれるのです。


介護施設などでお年寄りのために歌や踊りを披露する園児たちの話を聞きます。そんな園児たちのサービスはお年寄りたちにとても好評だそうです。


お年寄りが喜ぶ気持ちがなんとなくわかります。たぶん、たぶんですが…お年寄りたちをプロのミュージカルや演劇に連れて行っても喜ばないと思います。かえって小さな子どもたちの拙い演技の方が心に響くのではないでしょうか。


今回のどうでもいい話は、ダンスや演劇が嫌いな私に響いたのがザ・キュアーの『Why Can’t I Be You?』のプロモーションビデオだったという話でした。


『Kiss Me Kiss Me Kiss Me』というアルバムは自分にとって思い出深いものとなりました。このあと『Disintegration』というアルバムも購入しましたが、こちらはこちらで趣の違うシリアスな音が凝縮されていて感動しました。

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馬鹿にしてゴメンよぉ〜

アンタ、誰?

ん、人形?


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この写真を見てピンときた方はかなり通でいらっしゃいますな。

ここにおわすお方は…

若かりし頃のデビッド・ボウイでありまする。ちょっと気障っぽくもあり、妙に中性的な感じがするお方ではないでしょうか。モノトーンということもあり、写真としては無機質な印象が強いような気がします。うっかりすると人形と見間違えそう。

ですが、違った見方をすれば彫刻、あるいはブロンズ像のような美しささえ醸し出しているようなポーズとも言えそうです。

これは彼のアルバム『HEROES』(ヒーローズ)のジャケットで、裏側のクレジットによれば1982年の作品になっている。今から30年近く前にリリースされた作品である。

私はデビッド・ボウイにはまったく興味がなく、高校1年の頃には一度も聞いたこともなかった。ところが、2年生になったときにたまたま同じクラスになった洋楽好きな友人の勧めで、ボウイのレコードに針を落とすことに…

びっくらこいた! というのがそのときの正直な感想だ。本音を話すとデビッド・ボウイなんて馬鹿にしていたのだ。どうせチャカチャカしたせせこましい音を出しているんだろう…な〜んて思い込んでいた。

カッコいい音。なんと抽象的な表現だろう。若かりし自分は、このアルバムを聴いて痺れてしまった。どちらかというと無機的な音であり、魂や温もり、人の体温、汗みたいなものはまったく感じなかった。逆に淡々と流れるリズム、物語と言うには余韻のなさ過ぎる彼の歌声に魅力を感じてしまった。

へんな表現だが、ベルトコンベアに載せられてえらく遠いところまで運ばれてしまうような気がした。運ばれた先でベルトから滑り落ちた自分はどうしたかというと…「ここどこ?」と時間を振り返り、「なかなかおもしろい旅をしたなぁ」なんて感慨に耽っている。それがこのアルバムを初めて聴いたときの印象だ。

アルバムタイトルにもなっている“HEROES”やV-2SCHNEIDER(V-2シュナイダー)は特に痺れる曲だったなぁ。

参加しているミュージシャンにキングクリムゾンのロバート・フィリップが名を連ねていることもあり、ギターは聴きどころがいっぱいだ。シンセサイザーとキーボードはブライアン・イーノが担当している。そんなことがこのアルバムの雰囲気を独特なものにしているのかもしれない。


ブログネタに事欠いて、アルバムジャケットシリーズ第6弾いってみました!

ジャケット的にも素晴らしいので報告しましたが、肝心の音楽は高校卒業から聴いていないので、当時の記憶をまさぐって文章にしました。勘違いがあるかもしれません。ご容赦下さい。

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懐かしさを紡ぐ人たち/Le Sang D’un Poète

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久々の音楽ネタです。洋モノかぶれの私ですけど、ときには日本の音楽も聴くんです。そのなかでとびきり好きなのが「詩人の血」というグループ。

出会いは深夜の音楽番組。それはほんの10分ほどの番組です。たまたまテレビのスイッチを入れたら彼らの歌が流れていました。確か「バタフライ」という曲でした。初めて聴く曲なのにとても懐かしく感じたことを今でも思い出します。聴き終えたら演奏グループの名前が映し出されます。フランスの詩人、ジャン・コクトーの詩(小説だったかな?)と同じタイトルだったので記憶に残りました。かれこれ20年くらい前のことでしょうか?

あまりにも深く、懐かしく、甘い歌だったのでさっそくCDを購入。どの曲を聴いても「新しさと懐かしさ」という相反するものが同時に押し寄せてきます。この奇妙な感覚がたまらなく心地よく、繰り返し聴いたものです。

このジャケットはファーストアルバムのものです。このあと、新しいアルバムが出るたびに買い続けました。枚数を重ねるごとに洗練されていくのですが、本流のところにあるものは心地よい懐かしさだったと確信しています。ファーストアルバムなどはベストアルバムとも言える曲が並んでいます。詞や曲の構成の素晴らしさに加え、ヴォーカル(辻むつし)のうまさ、演奏やアレンジの見事さがどの曲にもちりばめられた名アルバムだと私は思います。

でも、なんで売れなかったんだろう?

きっと時代が早過ぎたのではないのでしょうか。バブルの夢覚めやらぬ時代に「懐かしさ」なんて無用の長物だったのかもしれません。振り返ることより先を読むことの方が大切だったのでしょう。ならば、平成不況のこの時代に彼らが登場していたらどうでしょう…売れたでしょうか? ちょっと気になります。

ところで、音楽を聴いて自分のどこからか何かがす〜っと抜けて行くような感覚を覚えたことはありませんか? そこに残ったものがなんとも言えぬ平穏な気持ちだったりすることはありませんか?

もし、そんな気分を味わいたかったら一度聴いてみてください。

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妊婦から生まれ出た極上ロック

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「夜ごとに太る女のために」。それがこのアルバムのタイトルである。

夜ごとに太るということは病気なのか…という心配はご無用。ベッドに横たわる彼女はじつは妊婦なのである。


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こうすればおわかりいただけるだろう。って〜ことは…胎教にいい癒しの音楽が流れてくるのかって? おっと、勘違いは困りますぜ、旦那! こりゃバリバリのロックでっせ。

バンド名はキャラバン(CARAVAN)。イギリスのロックバンドで、知っている人は知っているけど、知らない人はまったく知らない。メジャーとは言えないし、マイナーとも断言し難い、コアなファンの多いバンドだ。でも、やっぱりマイナーかな。

マイナーだからといって侮ってはいけない。このレコードから飛び出してくるのは極上のロックである。そう思っているのは自分だけかもしれないが、曲の構成やアレンジの見事さには誰もが舌を巻くことだろう。クールでご機嫌(なんのこっちゃ?)、ハードでムーディ、アンニュイとスピード感あふれる曲が一枚のアルバムの中で見事にスクランブルしている。同グループの最高傑作と信じて疑わないアルバムだ。

アルバムの中に組曲形式の曲が含まれているのだが、その起伏に富んだ構成と緩急をつけた小気味よい展開は圧巻である。大袈裟に言うと、クラシックの交響曲を聴いている気分にもなれる素晴らしい曲なのである。ロックグループとしては珍しくバイオリン奏者がメンバーに入っている(個人的に、ロックにバイオリンは意外とマッチすると思っている)ので、そんな気がするのかもしれない。

ネタが切れたので、レコードジャケット紹介第4弾いってみました〜

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いったいどこに連れて行かれるのか?

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レコードジャケット・シリーズも3枚目。今回は趣向の変わったデザインである。これが本当にロックグループのアルバムなのだろうか? ジャケットだけ見たら、和太鼓や銅鑼の凄まじい音が鳴り響きそうな気配である。

ご紹介しよう。このアルバムは、ジェファーソン・スターシップ(Jefferson Starship)の『Spitfire』である。このグループはジェファーソン・エアプレーン、ジェファーソン・スターシップ、そしてスターシップと時代の移り変わりとともに名前を変えている。そもそもは1960年代のアメリカのヒッピームーブメントから生まれたグループらしい。結成当初はサイケデリックな音楽を指向していたが、ジェファーソン・スターシップと改名してからはロック色を強めた。現在も活動を続けているという噂を耳にしたが、事実は知らない。

そんな活動歴の長い彼らの作品の中で、私が最も好きなのがこの『Spitfire』だ。ちなみに、ファンの間ではこのアルバムより前作のレッド・オクトパスの評価が高い。そんな世評と違ってなぜこのアルバムが好きかというと…簡単に言ってしまえば、収録されている曲がみんな良い曲だから。まるでベストアルバムのような一枚である。特にセント・チャールス(St.Charles)という曲が素晴らしい。というか、大好きなのである。目を閉じてこの曲を聴いていると、まるでどこかに連れて行かれる気分になる。そんな高揚感を味わうためにこのアルバムを買い求めたわけである。

この曲で特に好きなのがギターの音だ。ギタリストとしての名は売れていないが、同グループのギタリストであるクレイグ・チャキーソ(Craig Chaquico)のギターは独特なリズムと音色を持っている。レスポール・スタンダードという、ギター通なら誰でも知っている名品を使用しているせいもあるかもしれないが、それを差し引いてもシビれる音を出す。

このジャケットの醸し出す不思議な空気感、浮遊感を味わってみたいと思ったら『セント・チャールス』という曲をyoutubeで検索して聴いてみてはいかがだろう。ただし、明るい曲ではないので過度の期待はしないように(どちらかというと気だるい曲、退屈な曲かもしれない)。

さて、今回紹介するにあたり改めて眺めてみたけど、かなりのインパクトだ。イラストを描いたのは日本人らしい(ちょっと気になるのは龍の爪が五本あること)。

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たまにゃ、気障な台詞もいいかも

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躍動感、爽快感あふれる美しいジャケットだ。いったいこのレコードからどんな音が飛び出してくるのか? そんな期待を抱かずにはいられなくなる。

(突然、つぶやきから始めてしまったが、レコードジャケットの紹介シリーズである)

こちらはロキシーミュージック(ROXY MUSIC)というグループの「FLESH+BLOOD」というアルバム。きれいなお姉さんたちに目が釘付けになってしまう。歌姫たちはどんな声を聞かせてくれるのかと思ったら大間違い。歌っているのはでかいおっさん。しかも伊達男だ(名前はブライアン・フェリーと言う)。かっこいいと言えばそうなのだが、なかには目障りだと思う人もいるだろう。自分は英語がよくわからないのだが、伊達男が歌うだけあって気障な台詞や言い回しが多いのではなかろうか。

ロキシーミュージックといえば「アヴァロン」というアルバムがめちゃくちゃ有名である。たぶん、洋楽を好んで聴かない人でもアヴァロンの中に入っている「More Than This」という曲は耳にしたことがあると思う。この曲の中で「モア ザン ディス」という言葉が何度も繰り返されるのだが、多くの人にはこの部分が「も〜だめ〜」と聞こえたことだろう。

話がそれたので、写真「FLESH+BLOOD」のジャケットにもどそう。さて、表紙には槍が三本写っている。ということはもう一人いるはず。どんな女性かというと…

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美しいフォームがビシッと決まったお姉さんである。けっこう様になっていると思うのだが、もしかして槍投げの選手なのだろうか? 

このアルバムを買ったのは、写真のお姉さんが素敵だったから…ではない。Same Old Scene という曲が聴きたかったから。nothing lasts forever of that I’m sure…こんな一節から始まるこの歌が大好きだったのである。

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捨てられない思い出は邪魔な荷物なのか?

自宅の一室に保管していた大量のレコード。今、それらすべてが私の部屋にある。かみさんの荷物を置くために安息の地を追われたわけなのだが、その扱われようといったら悲しくなる。もともと大きめの段ボールに詰めておいたのだが、それらが無造作に積み重ねられているのである。その配置の仕方から、置いた本人の「邪魔よ!」という意志が読み取れる。う〜ん、何たること! 確かにかみさんにとっては何の価値もないものに違いないが…

今や聴くことのないレコードたちだが、どうしても捨てられない。「若い頃に夢中になって聴いたものだから」と言ったらそれまでだが、自分としてはレコードというものにこだわりがある。手のひらに載る小さなCDにはないジャケットの存在感が心をとらえて離さないのだ。ジャケットは音楽と対を成すものだと自分は勝手に思っている。ジャケットを手にしながら曲に耳を傾ける。すると、不思議とイメージが膨らんでくる。奏者がこのアルバムで何を訴えようとしているのか…自分勝手に色々なことを想像して楽しめるのである。

前置きが長くなったが、今回のことをきっかけに所有するレコードのジャケットを気ままに紹介していこうかと思いついた。


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こちらはスチュアート&ガスキン(DAVE STEWART & BARBARA GASKIN)というグループというかユニットの「BROKEN RECORDS」というアルバム。同グループの曲など聴いたこともないのに、なぜか衝動買いした一品。そして、一度聴いただけで気に入った不思議なアルバムだ。

とにかく懐かしい音がする。1960年代のポップスに通じるメロディは心をほっと落ち着かせてくれる。つまらない小細工は一切なし。楽しそうに歌っているバーバラの明るい気持ちが伝わってくる。それだけで心地いい。このジャケットからは想像もできない音が飛び出してくる。3時のティータイムにさりげなくかけたくなるレコードだ。あるいは、デートでのドライブにも最適ではないだろうか。興味をそそるようなことを言っておきながら、彼らの曲はなかなか聴けないんだよな〜、聴きたいと思った人には申し訳ないな〜と思っていたら…

youtubeで検索したら、何とあるではないか! いやー、youtubeってすごい。こんなマニアックなグループの曲まで聴けるんだから。参りました。

さて、上で60年代のポップスの雰囲気漂うみたいなことを言ったが、それもそのはず。60年代の曲のカバーがいくつも入っているから。しかし、曲のアレンジは60年代のものとは違っている。

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